中村 文子
ダイナミックヒューマンキャピタル代表取締役

『学ぶ気・やる気を育てる技術』
『学ぶ気・やる気を育てる技術』
寺田 佳子 著 / 日本能率協会マネジメントセンター / 1,575円(税込) / 200ページ

 インストラクショナル・デザインを専門にする著者が、「大人が学ぶ」ということ、そして部下の学ぶ姿勢・行動を引き出すために何をすべきかをわかりやすく解説している。「自主性を引き出す」ことが大切であることを、学びの観点から説いている。

 興味深いのは、西暦2000年前後に成人になったデジタルネイティブと言われる世代の特徴や、その彼らをどう導くのが良いのかという視点。「カッコいい」と言われるのと「アタマがいい」と言われるのとでは、どちらが嬉しいか? ―― ある調査結果では、デジタルネイティブ世代の約70%は「アタマがいい」と言われた方が嬉しいという。2~3年後にはこの世代が、世界の労働人口の大勢を占めるようになる(本書P.36)。また、5年後には組織を管理するシステムや業務に必須のツールがまったく変わっていて、従業員の80%以上がスキル不足になるだろうと予想されている(本書P.39)。そんな時代になる。そんな中でこのデジタルネイティブの世代は、学ぶこと、スキルアップすることを厭わないどころか、きちんと理由づけされ、条件が整い、やる気のスイッチが入れば、大きく成長してくれるというのです。

 部下を成長させようという意思はあるにもかかわらず、部下をダメにする落とし穴が6つ紹介されている。(1)上司が一方的にひたすらしゃべる、(2)正しいことばかり並べる、(3)必要な情報だけ一方的に伝える、(4)失敗は恥ずかしことだと怒る、(5)部下に何もさせない、(6)時間がないと言う。

 間もなく新入社員を迎え入れる企業も多いこの季節。新入社員にとって最初の上司の与える影響はとても大きい。受け入れ側の態勢強化に活用したい。

関連図書

『超!部下マネジメント術-1/3の時間と労力で人が育つ!インストラクショナルデザイン-』
石田 淳 著 / インデックス・コミュニケーションズ / 1,575円(税込) / 192ページ