「タレントマネジメントシステム」と向き合う際の留意点とは?

 実際に「タレントマネジメントシステム」を選択しようと考えた場合、以下の3点に注意する必要があります。

(1)「タレントマネジメント」「人材マネジメント」は戦略の分野であり、独自性と変化を伴う。パッケージシステムの性質との相性を理解する
(2)運用サポートだけでなく、思考過程をサポートできるシステムを選ぶ
(3)グローバル化の問題とそれまで国内で抱えてきた問題、2つが同時に存在することを認識する

 以下、それぞれを説明していきます。

(1)「タレントマネジメント」「人材マネジメント」は戦略の分野であり、独自性と変化を伴う。パッケージシステムの性質との相性を理解する

 「タレントマネジメントシステム」がITを活用したパッケージソリューション/システムである限り、その基本的な性質は「ベストプラクティス」の集合体です。つまり、あくまで最大公約数的なプロセスの提案である、ということです。

 一方「タレントマネジメント」は、各企業の重要な戦略的分野であって、本来、他社と横並びのベストプラクティスを100%適用できる世界ではないはず。もちろん、運用のレベル、システムの柔軟性の高さなどから、適用できることも多々あるでしょう。しかし、基本的な性質の違いは是非押さえておきたいポイントです。

 このことを理解しないまま、

「『タレントマネジメント』の強化をしなくては」→「そのためにはシステム(IT)の活用が必要となる」→「タレントマネジメントシステムを検討してみよう」→「機能がたくさん揃っているシステムがいい」

と考えてしまうケースを見ることが少なくありません。その結果、ほとんどの機能が戦略的には活用することができず、結局は基本的な人材データの単純な参照システムとしてしか使えていない、という残念な結果が起こってしまいます。

 そもそも「タレントマネジメント」を行うことで解決しようとした課題は何だったのか。常にその地点に立ち帰って、課題解決のためにシステムが提供する各種機能は、どう使えるのかを具体的に考えていく必要があります。提供される機能にそのままポンと飛び乗るだけではうまくいきません。それらの機能をどう使いこなすのかを考え、そのシステムは自分たちの「使いこなし」を許容できるのかを冷静に見極める必要があるでしょう。