(2)運用サポートだけでなく、思考過程をサポートできるシステムを選ぶ

 「システムを活用する」といったときに、何に対してどこまで活用するのかを明確に考える必要があります。ポイントの一番目でお話したように、パッケージソリューション/システムの基本的な性質はベストプラクティスの提供であり、ある程度決まった運用プロセスをサポートすることを得意としています。しかし、そこから一歩飛び出して、運用プロセスそのものの成否を判断したり、うまくいっていない理由を探ったりするために、データやシステムを活用しようとした時は注意が必要です。実質的には運用支援までしか想定されておらず、戦略の肝心要の部分をシステム外の手作業でカバーしなくてはならない、というシステムも存在します。

 特に、「タレントマネジメント」は多くの企業が試行錯誤をしている段階であり、戦略的な分野。一度「正解」を出したとしても、未来永劫「正解」であり続ける保証はありません。常にその成果を確認しながら、修正を続けることができてはじめて、価値のある「タレントマネジメント」となっていきます。ですから、思考過程をサポートできるシステムを武器として持っているのか、それとも単に運用プロセスを粛々と流していくシステムを使っているのかでは、マネジメントの質の向上に大きな差が生まれるのです。

 自分たちがするであろう思考や、行うであろう試行錯誤から湧いてくる要望に、そのシステムは確実に応えてくれるのか。この点をしっかりと確認したうえで選択することが、投資効果を大幅に上げるために重要になります。

(3)グローバル化の問題とそれまで国内で抱えてきた問題、2つが同時に存在することを認識する

 グローバル化は待ったなしです。しかし、グローバル化を進めたからといって、それまで存在していた国内での課題が自然消滅するわけではありません。グローバル化を進める企業でも、まだまだ大半の社員が日本人で、その国内社員の人材データの一元化すらできてない企業が多いのではないでしょうか。こうした現状に対して、グローバル化が前提だからと、国内の顕在化しているニーズへの適合率が低いシステムを入れて、結局現場が苦労しているという声を耳にすることがあります。

 まず、今の課題としっかりと向き合うことが重要です。そのうえで将来どうしていくべきなのかを考える。将来を見据えた計画を立てることは重要ですが、足元がぐらぐらしていたら、迎えたい未来が心もとないのは言うまでもありません。

 これまで10年近く、人材マネジメントにシステムを活用するお手伝いをしてきました。その中で、人事情報システムを入れていたのに戦略的には使えておらず、ほとんどの資料作りはExcelでの作業でどうにか凌いできたという方々に多数お会いしてきました。そのExcelのマクロに対する知識と経験には敬意を表するものの、その方々の時間や工数は本来、資料を作る手作業ではなく、その結果を見て「考える」ことに使われるべきです。もし「タレントマネジメントシステム」でも同様に、入れたのに使えない、ものを考えるサポートにはならないという結果になってしまったとしたら…。とても残念なことです。

 是非この記事を参考にしていただき、「タレントマネジメントシステム」を上手く活用して、貴社のビジネスに貢献する「タレントマネジメント」を実現していっていただきたいと思います。

<参考資料>
"The New Face of Talent Management" / ASTD 2009

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