中村 文子
ダイナミックヒューマンキャピタル代表取締役

『ひとを動かす技術』
『ひとを動かす技術』
ボブ・バーグ、ジョン・デイビッド・マン 著 / 川村 透 訳 / 大和書房 / 1,680円(税込) / 256ページ

 リーダーシップの権威ジョン・C・マクスウェル氏、ザッポスCEOトニー・シェイ氏、サウスウェスト航空名誉会長コリーン・バレット氏などなど、そうそうたる面子の推薦の言葉が並ぶ本書。「人は『能力』にはついてこない」 ―― シンプルだが核心をつく言葉に引かれた。

 ベンという主人公が困難な状況の中でリーダーシップを学びながら、どう発揮していくかというストーリー展開である。ベンの学びの一つが、影響力とは何かであった。人を動かすために必要なこと ―― 、つまり影響力とは「目に見えない力の流れ」であり、星同士のようにお互いの間に及ぶ引力とも言える、というものであった。綱引きのように、相手を動かすには押すのではなく、引くのだと。

 説得しない、「相手が勝つ」イコール「自分の負け」ではない、「製品」ではなく「人」をつくる、人から尊敬されたければ自分を信じ自分に敬意を抱くこと、などリーダーシップの本質をつく学びが次から次へと、とても具体的でイメージしやすい場面展開の中で紹介されている。中でも興味を引いたのが柔道からの学びである4つの柱(イメージ、つながり、流れ、経緯)であった。

 人事の仕事も、人や組織を「管理」するのではなく「リード」するものであり、大いに活用したい1冊である。

関連図書

『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』
ジョン・C・マクスウェル 著 / 渡邉 美樹 訳 / 三笠書房 / 1,680円(税込) / 304ページ

『ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~』
石塚 しのぶ 著 / 三省堂出版 / 1,575円(税込) / 351ページ