佐藤 雄一郎
学校法人産業能率大学総合研究所 マーケティングセンター長

 本連載は、「通信研修に関する実態調査(2012年度版)」をもとに、企業における人材マネジメント施策全般について、そしてその中で特に通信研修を活用した人材育成の実態について整理・分析していきます。前回は、通信研修の特徴・活用形態(概略)について整理しました。今回から同調査の定量データを用いて、通信研修を活用した人材育成の実態にフォーカスしていきます。

通信研修の活用目的

 今回は、「通信研修に関する実態調査(2012年度版)」をもとに、企業・組織において、人材育成施策の中で、通信研修を何のために活用しているのか(通信研修の活用目的)について整理していきます。設問は以下の10項目です。

  1. 経営的な考え方やものの見方を習得させるため
  2. 階層・役割ごとに求められる知識・スキルの向上をはかるため
  3. 階層ごとに求められる役割理解・役割形成を行うため
  4. Off-JT(社内研修など)を受けられない人も含めて教育機会を広く提供するため
  5. 昇進・昇格や職能要件と連動した能力開発など、自社・自組織における人事制度を効果的に運用するため
  6. 部門・職種ごとに求められる知識・スキルの向上をはかるため
  7. 社内で開催している研修と連動させることにより、学習内容の定着をはかり、効果性を高めるため
  8. 資格取得や語学力向上など、社外でも通用する知識・スキルを従業員に身につけてもらうため
  9. 従業員の自己啓発意欲を促進し、会社・組織全体としての能力をたかめるため
  10. 多様化する雇用形態や学習ニーズに応じた能力開発機会を提供するため

 この設問は4段階評価(1「当てはまらない」、2「やや当てはまらない」、3「やや当てはまる」、4「当てはまる」)を用いています。データの見方として、1~4それぞれの回答割合を見るとともに、肯定的回答割合(3「やや当てはまる」と4「当てはまる」の合計)を見ていきます。加えて便宜的に、1「当てはまらない」を1点、2「やや当てはまらない」を2点、3「やや当てはまる」を3点、4「当てはまる」を4点として、全回答を加重平均して、平均値を確認する方法もあります。値は1~4の間なので、中央値が2.5になります。2.5を上回れば肯定的、2.5を下回れば否定的な傾向であるといえます。