佐藤 雄一郎
学校法人産業能率大学総合研究所 マーケティングセンター長

 今回は、「通信研修に関する実態調査(2012年度版)」をもとに、企業・組織において、人材育成施策の中で、通信研修を採用する上で重視した理由について整理していきます。本設問を通じて、企業・組織が通信研修という学習手段に対して期待していることが明らかになります。設問は以下の15項目です。

  1. 地域を問わず、従業員に教育機会を均等に提供することができる
  2. 対象者数を問わず、従業員に教育機会を一斉に提供することができる
  3. 従業員の多様な能力開発目的やレベルに合わせて教育機会を提供することができる
  4. 従業員の学習意欲を高める工夫が盛り込まれている
  5. 仕事上、必要な役割や態度を体系的に学ぶことができる
  6. 仕事上、必要な知識やスキルを体系的に学ぶことができる
  7. 従業員が各自のペース(場所・時間等)で学習をすすめることができる
  8. 受講後も教材を活用しやすい
  9. 通勤時間など、学習期間中も持ち運びが便利で学習することができる
  10. 学習内容を振り返るリポート添削指導がついている
  11. 他教育手段(集合研修・社外セミナー等)と比較して事務局としての負荷が軽い
  12. 他教育手段(集合研修・社外セミナー等)と比較して教育費用やかかるコストが安い
  13. 受講期間が決まっており、能力開発計画が立てやすい
  14. 採点結果や修了結果などがシステム化されていて受講・成績管理がしやすい
  15. リポートの採点があり、教育効果を測定しやすい

 この設問は4段階評価(1「当てはまらない」、2「やや当てはまらない」、3「やや当てはまる」、4「当てはまる」)を用いています。データの見方として、1~4それぞれの回答割合を見るとともに、肯定的回答割合(3「やや当てはまる」と4「当てはまる」の合計)を見ていきます。加えて、便宜的に、1 「当てはまらない」を1点、2「やや当てはまらない」を2点、3「やや当てはまる」を3点、4「当てはまる」を4点として、全回答を加重平均して、平均値を確認する方法もあります。値は1~4の間なので、中央値が2.5になります。2.5を上回れば肯定的、2.5を下回れば否定的な傾向であるといえます。

 まずは全体結果として、以下のようにまとめられます。

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