中村 文子
ダイナミックヒューマンキャピタル代表取締役

『LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲』
『LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲』
シェリル・サンドバーグ 著 / 村井 章子 訳 / 日本経済新聞出版社 / 1,680円(税込) / 304ページ

 著者はフェイスブックのCOO。200数十万回視聴されているTEDでの彼女のスピーチがきっかけになったという本書は、女性が仕事で成功するにはどうしたらいいかを、制度的な観点ではなく、女性の内なる障壁や女性自身にできることに焦点を当てて書かれている。

 世界に195ある独立国のうち、女性が元首を務める国は17カ国。世界の議会に占める女性議員の割合は20%。フォーチュン500社で女性がCEOなのは4%。アメリカでは上級執行役員の14%、取締役の17%が女性。どの数字も低い。それなのに、驚いたのは、この数字が過去10年間ほとんど変わっていないということである。

 同じテーブルに着く、声を上げよう、パートナーを本当のパートナーにする、声を上げよう、など、彼女自身の体験を基に力強いメッセージが続く。中でも、「できる女は嫌われる」という章では、誰もが内心は感じたことがあっても、それを言葉にする勇気がなかなか持てないような現実や内面の葛藤が描かれていて惹きこまれる。成功と好感度は、男性の場合には正比例し、女性の場合には反比例する、というのだ。

 アメリカでこうなのだから、日本はどうなのだろうと思いを巡らせずにはいられない。人事施策の中で、女性の登用を掲げる企業が増えているが、制度面をどんなに整えても解決しない本質を考えさせられる内容である。広く、そして深いこの課題に、大きな一石を投じている。

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『TEDのスピーチはこちら』