中村 文子
ダイナミックヒューマンキャピタル代表取締役

『マインドマップ・リーダーシップ-現場主導で組織に変革を起こす』
『マインドマップ・リーダーシップ-現場主導で組織に変革を起こす』
トニー・ブザン、トニー・ドッティーノ、リチャード・イズラエル 著 / 近田 美季子 訳 / ダイヤモンド社 / 2,520円(税込) / 320ページ

 変化の激しい時代に求められているのは現場主導の変革であり、そのために必要なのは「プロアクティブ」なリーダー、組織、経営である。

 プロアクティブな組織は、「当初に時間と資源を投資し、それによってその時点でもそれ以降も顧客やクライアントのニーズを満たす、もしくは超えることができる」という。また、「チーム・メンバーは失敗から学んで現在と今後の成功と利益に良い影響を与えるように力づけられる」。それに対しリアクティブな組織は「危機管理型経営」とも表現され、「品質を保ち、納期を守るにはもっと資金がいるし、余裕のあるスケジュールも必要だ」という議論や妥協ばかりが繰り返される。

 リアクティブからプロアクティブに移行するには3つの段階がある。3速のギアにたとえ、1速:実践力となる(新しいことを学ぶ段階)、2速:成果を上げ、競争する、3速:創造と革新、となっている。

 そしてこのプロアクティブなリーダーや組織がなぜ優れているのかが、マインドマップで有名なトニー・ブザンの理論に基づいて解説されている。ブザン氏の脳の7つの法則とは以下の通りである。

  1. 脳は情報を掛け合わせる。1足す1は2を超える
  2. 脳は成功指向のメカニズムである
  3. 脳は行動を完璧に真似る能力がある
  4. 脳は完全性を求める(空白を埋めようとする)
  5. 脳は常に新しい知識と情報を求める
  6. 脳は真実を求める
  7. 脳は根気よい

 また、目標達成に向けて脳の準備を整えるためのプロセスであるTEFCAS思考法についても述べられている。TEFCASとは、Trial(試行)、Event(実行、出来事)、Feedback(フィードバック)、Check(チェック)、Adjust(調整)、Success(成功)の頭文字を取ったものである。

 脳の働きを理解し、科学的なアプローチを駆使してのリーダーシップ論。これからの組織開発には必須の分野であると確信した。

関連図書

『新版 ザ・マインドマップ』
トニー・ブザン、バリー・ブザン 著 / 近田 美季子 訳 / ダイヤモンド社 / 2,310円(税込) / 280ページ