細川:一人ひとりの創造力、実行力が大切で、それが成果となる。それを上長がサポートするのですね。チームとしての開発はどの辺に力を入れていますか。

吉田:組織開発で言うと、従業員の働きやすさを一つの指標としてとっています。それは健康診断でしかありませんが、サーベイの結果を各部門に反映して、改善活動を支援しています。目指しているものについて今の状態がどうかを診断し、理想との乖離が大きければ、どこに原因があるのかを当該チーム、部門と協力し合って改善に取り組んでいます。コーチングに近いかもしれません。

細川:今のプログラムは上長もメンバーも力の高まる素晴らしいものだと思います。コーチングでは、研修には意味がなく、研修で覚えたことを実行することが大切だと伝えます。団体戦でどうパワーを出していくかが課題で、グループコーチング、要するにファシリテーションが大切です。

吉田:ファシリテーション力は私たちが管理職に最も磨いてもらいたいと考えている能力の一つです。それに並行してヤフーでは現在、会議のスタイルの改善を推進しています。会議の品質をいかに上げるか、無駄な会議をどうやって無くすか。その結果捻出された時間を、本来あてるべきタスクにしっかりとあててもらいたい。一つひとつのわれわれの活動は、本当に地味で地道です。

びっくりするサービスを提供するためのダイバーシティ推進

細川:話は変わりますが、 今ダイバーシティが注目されていますね。日本企業で管理職研修をやると、女性役員が少ない。部長クラスは1.5%、課長クラスでも10%。世界と比べると話になりません。これが会社の変化を阻害している気もするのですが、どう思われますか。

吉田:女性登用をはじめとするダイバーシティは、これからまさに進めていかなくてはならないと思っています。組織開発室で、今まさにその準備をしています。

 ヤフーが成し遂げていきたいことは課題解決です。そのためにはイノベーティブなサービスを世に送り出す必要があり、社長の宮坂はそれを“!(びっくり)するサービスの提供”と言います。良い意味で、ユーザーがびっくりしてくれるようなサービスを世に出していく。そのためには単一的なものの考え方ではなく、多様な考え方から収斂されたものの方が圧倒的に良いものになるだろうと。ですので、社業や社是を全うしていくために、女性登用を改善し、障害者の方や外国人の方もどんどんチームに入れていこうということを進めていきます。

細川:私は女性の活躍推進が非常に大事だと思っています。その一番の問題点は男性だと思っています。女性だからと甘やかすところもあるし、最初から蔑視もあります。「女の子」という言葉はおかしいですよね。まず男性の意識を変える必要があり、次に女性の意識も変える。最終的にはビジネスですから、男も女もなく、成果を出さなくてはいけません。間違っても女性を登用することを目標にしてはだめで、女性が成功することが大事です。女性が成功することもセットになってやっていくといいのではと思います。

吉田:課題解決エンジンになるという目標を達成するためのダイバーシティ推進なので、プロファイルレイヤーでのダイバーシティを目標に置くのは本質的でないと私も思います。一人ひとりの多様性をどのように引き出し、発揮させるのか。行動レイヤーでのダイバーシティが重要です。社員一人ひとりの行動発揮を促していくことは、まさしく才能と情熱を解き放つということですし、組織開発そのものであると言えます。

 そして社員一人ひとりの行動発揮を促すとともに、組織の受容性としてのフェアネスを担保していくことがとても重要であると考えています。人事制度であり施策であり、その一つひとつにフェアネスが徹底されているか否かを問う必要があります。

細川:世の中の問題解決というと、まさにダイバーシティもそうですね。

吉田:Yahoo! JAPAN は多くの方が使ってくださっていて、ユーザーの半数は女性です。女性の課題解決をしっかりと行うためには、女性がどのような課題を持ち、どのようなサービスを欲し、どのような行動をしているのかを熟知する必要があるわけですが、それはやはり女性の方が得意なのではないかなと思います。