『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』
『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』
中土井 僚 著 / PHP研究所 / 1,944円(税込) / 429ページ

 C・オットー・シャーマー博士のU理論をわかりやすく紹介する入門書。2011年に出版された『U理論 ―― 過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』(英治出版)は、600ページを超える学術書であるのに対し、本書はかなりわかりやすい。著者中土井氏のこれまでの活動の中からの実践例もあり、理論の活用がイメージしやすい。

 U理論を一言で表現すると、「過去の延長線上にない変容やイノベーションを個人、ペア、チーム、組織やコミュニティ、そして社会で起こすための原理と実践手法を明示した理論」(本書p.1)だという。過去の延長線上の未来や、過去からの学びではなく、出現する未来からの学習。人や組織の課題を解決するにあたり、過去の事例や、過去の延長線上での解決策を考えるのではなく、過去と切り離した「未来」を明確にし、そこへ向けて進んでいくためのプロセスである。変化が激しく複雑、また予測のつかないことが起こる現代に必要とされる考え方なのではないだろうか。

 本質的な変容を起こすU理論の7つのステップ、そして、個人、ペア、組織・コミュニティのための実践編が、具体的な事例や演習を使いながら解説されている。興味はあるけれども難解で分厚い本には抵抗があった方には、事例もあり大変読みやすいので、お勧めの書である。

関連図書

『U理論 ―― 過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』
C・オットー・シャーマー 著 / 中土井 僚、由佐 美加子 訳 / 英治出版 / 3,780円(税込) / 608ページ