『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』
『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』
カレン・フェラン 著 / 神崎 朗子 訳 / 大和書房 / 1,728円(税込) / 328ページ

 著者は、一流大学を卒業後、大手コンサルティング会社で経営コンサルタント、後に製薬会社の人材開発やIT担当マネジャーなどを経験し、再びコンサルタントとなったという30年のキャリアの持ち主。そんな著者が、「申し訳なかった。心底、そう思っている」と冒頭で述べている。コンサルは「芝居」で商売をしていて、その芝居を続けるのにうんざりしたのと、多くの企業に入り込み「目標による管理」だの「競争戦略」だのとお題目を唱えて回ったすべてのコンサルタントを代表してお詫びしたくなり、この本を書いたという。

 著者は、コンサルタントの中でも特に、一般企業での経験のないまま大学やビジネススクールを卒業してすぐにコンサルタントになっているケースを問題視しているようである。しかし、紹介されている多くのケースに、思い当たるような経験がある方も多いのではないだろうか。ビジネスは論理的なもので、統計的にはよくまとまった研究、もっともらしい理論やモデルに従えば成功への道筋が示されると思い込まされているのではないか、と警鐘を鳴らす。

 「暴露本」という表現は好きではないが、物議を醸していることは間違いないであろうこの本。社外リソースを活用している人、今後の活用を検討している方にはぜひリソースの有効活用のために参考にしていただきたい。

中村 文子(なかむら・あやこ) ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
中村 文子

 大阪府出身、神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 卒業。マイクロソフト株式会社名古屋営業所 勤務を経て、P&Gジャパン、ヒルトン東京ベイにて人材育成・組織開発に従事。2005年より現職。2006年にASTDのカンファレンスで人材育成の世界的権威、ボブ・パイク氏のセッションに初参加、大きな衝撃を受ける。トレーナー認定のプロセスを経て、2007年秋、日本人初のトレーナーとして認定される。専門分野は、トレーナー養成、ホスピタリティ、管理職研修、ビジネスコミュニケーションスキル研修など。ホテル業界、製薬会社、電機メーカーなどの業界で、活動中。早稲田大学エクステンションセンター、日経ビジネススクール、日本能率協会にて、講師実績あり。
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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。