リフレームが生じる時の3つのポイント

 意識・行動変容が生じる時、物事に対して、ある種のリフレーミング、つまり今までと異なった捉え方をすることが起こります。新しいフレーム(考え方)は、他者からそのまま移植することはできず、自らが見出し、気付くことが必要です。外からは機会提供ができるだけで、この機会は他者との関わりの中から生まれます。リフレームが生じる時のポイントは3つあります。ポジティブな意味でチームメンバーとして関われるとき、一番意識と行動の変容が生じるのです。

  1. 肯定:いまある状況をチャンスと思える
  2. 貢献:自分は組織に必要である(貢献ポイントが明確)
  3. 感謝:他のメンバーもそれぞれ重要な役割をもっている(他者への尊重)

 これらのことを生み出す機会設定、つまりはフィードバックの機会設定をするということが変容プログラムにおける重要なアプローチになります。

 実は、ダイバシティを組織に導入するということは、このような組織開発的働きかけをおこなうことなのです。価値観変容のプログラムと考えると、単純に知識提供をおこなえればいいというものではないことが理解できます。その意味で、ダイバシティ導入者は、組織開発ファシリテーターとしての位置づけを持つ必要があります。単に「知っている(知識)」だけでなく「促進する」役割をもつためのマインド、スキルが必要になってきます。しかも、組織全体に対しての推進者なので、個人対応のスキル(たとえば、コーチングスキルなど)だけでなく、場をつくり、促進する力が必要になってくるはずです。

 冒頭のご相談を聞きながら、女性活躍という題目は明示され、ハード(制度)は設定していても、ソフト面に対する、いわゆる組織開発的アプローチがされていないのではないかという視点を提供させていただきました。そして、その働きかけについては、内部からのアプローチ設計が必要になってくるはずです。ただ、単純に知識付与と気付きの整然としたきれいなワークショップアプローチだけでなく、少し混沌とした、しかも「違和感」が表出する状況がうまれる必要があります。

 組織開発という視点で捉えなおすと、すべてがオンゴーイングのプロセスでもあり、いまの不満な状況も含めダイバシティを包含(インクルージョン)するステップになっているかもしれません。そう考えると、常にリフレームしつ続けることができること、その際のポイントである肯定と貢献の認識、そして他者の役割に対しての尊重と感謝が、組織開発導入者としても重要だと改めて思いました。そしてこれは、人と組織が変容する際に関わる人間としてとても重要なことなのです。

    <ヒント>
  • ダイバシティ(多様性)受容プログラムは組織開発
  • 女性活躍問題において、ケア(支援)とフェア(公正)のバランスがとれないことが問題になっていることが多い
  • 意識・行動変容が起こるとき、リフレーミングがおこなわれる
  • リフレームが起こりやすい状況は 1)肯定、2貢献、3)感謝があるときである