『クリエイティブマインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』
『クリエイティブマインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』
トム・ケリー、ディヴィッド・ケリー 著 / 千葉 敏生 訳 / 日経BP社 / 2,052円(税込) / 392ページ

 IDEOの創設者兄弟による、想像力に関する一冊。人間は誰でも生まれつき想像力を持っているが、その潜在能力には、「想像力に対する自信」をプラスすることが必要なのだという。世界5カ国の5000人を対象に行ったある調査では、日本以外の国の回答者は日本が一番クリエイティブな国だと答えた。一方で、日本が一番クリエイティブだと答えた人の割合は日本人が一番低かったそうである。

 「想像力に対する自信」とは、「自分には周囲の世界を変える力がある」という信念である。そして、その自分の想像力を信じることこそがイノベーションの核心をなすというのである。その自信は筋肉のように鍛えることができ、それを鍛え自信を築くサポートをするのが本書の目的である、としている。

 IDEOの秀でた実例を数多く紹介しながらも、ゲーム文化やカラオケも例に挙げているのが興味深い。ゲームは失敗しても怖くないし、カラオケも決して上手ではなくても「カラオケ・コンフィデンス」が醸成されまた歌いたくなる。つまり恐怖を克服することで潜在能力を開放するのである。計画より行動、義務なんて忘れ、情熱と可能性のスイート・スポットを見つける、勇気を出してジャンプ、と読むうちに自然と気分が高まり解放されるような内容が続く。

 ではチームではどうだろう。スタンフォードdスクールで開発された原則は次の通り。(1)お互いの強みを知る、(2)多様性を活かす、(3)プライベートをさらけ出す、(4)「仕事上の関係」の「関係」の部分を重視する、(5)チームの体験を事前に構築する、(6)楽しむ! ―― 。

 筋肉のように鍛えられるという「想像力に対する自信」、皆さんの組織ではどのような状態だろうか。人事担当者として、想像力に対する自信をつけることができる組織作りについてじっくり考察したい一冊である。

関連図書

『イノベーションの最終解』
クレイトン・M・クリステンセン、スコット・D・アンソニー、エリック・A・ロス 著 / 櫻井 祐子 訳 / 翔泳社 / 2,376円(税込) / 480ページ