コーチングの4ステップに合わせて経験を与える

 上で述べた内容を整理すると図2のようになります。

 コーチングの理論の引用ですが、物事の習得に関して段階があり、マスター(無意識にできる)までに4つのステップがあります。

(0)「できていないこと」に気づけていない
(1)「できていないこと」に気づいた
(2)やり方はわかった(が、まだできていない段階)⇒意識してできるように取り組む
(3)無意識にできる

各ステップに対して、トレーナーは適した経験を与えて、まずトレーニーが「できた/できていない」などの振り返りを行った上でトレーナーが指導します。そして理想はその振り返りの内容が活かせるような次の(同様の難易度、あるいは更に難易度の高い)仕事を見つけて渡します。ですので、「ティーチング」といっても、必ず前回解説した「任せ方(仕事の選定)」が対になっています。

 経験が終わった後に、トレーナーからすぐさま「できた/できなかった…その理由は」と言いたい気持ちもあると思いますが、それでは聴き手が受け身の「レクチャー型」の指導になってしまいます。まずは一拍置いて「どうだった?」と質問し、それを聴いてからフィードバックから始めることが本人の聴く姿勢を引き出すことに繋がるはずです。

 OJT初期段階でトレーナーが気になるのは、最初のステップ「できていないことに気づけていない」です。ここに本人が気づけたならば、教えたいポイントの半分以上はクリアしたと言えます。「できていないこと」に気づけたならば、次からは意識的、自覚的に工夫を凝らして取り組み、時間はかかったとしてもやがては習得に向かうはずですから。