課題の掘り下げ Step1:
悪循環の構造を想像して突き止める

 深掘りするにあたっては、原因の特定(図1の(2))はまだトレーナーの頭の中だとお考えください。今、二つの原因が考えられましたが、これはあくまで指導者の頭の中の推測なので、今度はトレーニーの目線で見たときに、この課題、つまり陥っている状況はどのような景色か?悪循環の構造は無いか?というようにあえてトレーニーの頭の中を想像してみます(図1の(3))。そうするとトレーナーから見たものとは少し違った光景が見えてくるはずです。

 たとえば、図2にあるように、トレーニーにとっては

・そもそも膨大な量の作業(他の仕事)にはまっている
 ↓
・(与えられた)一段上の仕事に時間がかけられない
 ↓
・(協働者から相談を受けても)理解しきれずに的外れな発言をしてしまう

といったように、トレーナーから与えられた一段上の仕事をやり遂げなければならないという意義は理解しているものの、目の前の「やらなければならない」膨大な雑務を優先せざるを得なくて、肝心なことに時間がかけられずに的外れな発言を返してしまう…といった悪循環が想像されます。これがトレーニー側の「大事な場面で力を発揮できない悪循環(図2中段の赤い輪)」です。

 更に言うと、この悪循環からもう一つの悪循環に発展します。

・的外れなトレーニーの発言に不安に思った協働者は見ていて不安に感じる
 ↓
・大事な話は結局トレーナーのところに戻って集中してしまう
 ↓
・結果としてトレーナーが引き取ってしまい、トレーニーのところにはますますルーティンワークが集中してしまう

といったように、トレーニーの元から仕事が離れて、結局トレーナーに仕事や大事な情報が戻ってしまします。「難易度が高い仕事が任せられずにトレーニーにルーティンワークが増えて行く悪循環(図2中段右の青い輪)」です。

 悪循環のパターンは色々ありますが、これが新人から見た景色、認識であり、成長課題に原因につながる「陥っている背景」と「悪循環の構造」です。