前回紹介したような問題解決型のアプローチはまずは考えるべき道筋ではありますが、その本質的な要因が見つかったとしても結局は気持ちの上で乗り越えなくてはならないものが中心になってくることがわかるはずです。

 これはトレーニーだけのことではなく、トレーナーに関しても同様です。トレーニーがOJT後期で大きな(質・量ともにレベルの高い)仕事をやりきるにあたっては、介入せずに我慢して見守り通さなければなりません。また、若手トレーナーでは、見えてきたトレーニーの癖や苦手領域に関しては「なあなあ」にならにように厳しく接して直す必要があります。

 トレーナー本人の自覚やトレーニーとの対峙を避けずに向き合って状況を良くすることが何より重要です。向き合いがなされていないままに一年間のOJT期間をやり過ごしてしまうのは、相互にとってもったいないことです。トレーニーの課題に直に向き合うのは相互にとってそれなりに気の重いやり取りになるかもしれませんが、この壁を乗り越えてこそ、OJT=(社内最小単位の)チームになるのではないかと考えます。

 OJTの課題を考える際は、いくつかの認識のギャップを乗り越える必要があります。

・Step1 トレーナーの認識する課題からその原因(要因)の掘り下げ(トレーナー目線)
・Step2 トレーナーの想定する課題の原因の特定からトレーニーの目線への切り替え(トレーニーから見た背景、悪循環の構造)
・Step3 背景や悪循環の構造から生じるトレーニーの本音や感情
・Step4 Step2、3を俯瞰したときにこれを見て感じるトレーナーの本音、感情、超えるべき壁

 日常では業務に忙殺されていることが常ですので、こういった状況、諸要素や感情面が複雑に絡み合っています。お互い、それに向き合ったり、先送りしたりしながら時間が過ぎて行きがちですが、OJTの後半や年末などの節目のタイミングで相互の認識をそろえて、次のフェーズに向けてスタートしたいものです。