株式会社ジェック マネジャー
嘉顧(ジャグ)企業管理諮詢(上海)有限公司 副総経理
薛 晴(せつ せい)

 日本語に「一年の計は元旦にあり」という言葉があるように、中国語にも「一年の計は春にある」という言葉があります。ここの「春」は、期間で言えば春季で、時点で言えば「春節」です。中国人にとって旧暦のお正月 ―― 春節は本当の意味の1年の始まりです。この「春節」を契機に、会社に勤めている人々が新たなチャンスを求め転職を考えることも多いようです。

 そして、多くの日系企業にとっては悩ましい時期になります。なぜならば、これから1年の賃金をどうするか大事な問題に直面しなければならないからです。

 中国の経済成長率、インフレ率を参考にして昇給を考える企業もありますが、前年の昇給率を参考にする企業もあります。優秀な人材を確保しなければならないので、各企業にとって同業他社の昇給率は一番気になります。

 JETRO(日本貿易振興機構)が毎年アジア&オセアニア日系企業に対して実態調査を行っていますが、その調査結果によれば中国の賃金は年々上昇しています。

 2014年も高昇給率が維持され、前年比ベースアップ率は全国平均で、製造業は9.1%、非製造業7.6%でした。都市別で見ると、上海がもっとも高く、製造業は10.3%、非製造業は8.2%になっています。

 また、北京、上海、広州三大大都市の平均賃金はすでに10万円を超えています。上昇しつつある賃金は企業の利益を圧迫しているため、一部の製造業の外資企業は東南アジアへの移転を加速しています。その中、日系企業の「生産は日本へ復帰」の動きも見られます。

 しかし、これらの外資系企業の戦略転換は中国を切り捨てるのではなく、むしろ中国は「世界工場」よりは「世界市場」としてのウエイトが大きくなっているのです。

 では、2015年の中国市場と日系企業の人材育成をどう読むべきか?