株式会社ジェック マネジャー
嘉顧(ジャグ)企業管理諮詢(上海)有限公司 副総経理
薛 晴(せつ せい)

 現地の日系企業のお客様から受けるご相談の約9割は中国人管理職の育成です。
「中国人のための会社にしたいので、早くトップになれる中国人幹部を育てたい」
「中国人管理職を育成したい。そして、日本人駐在員を全部帰らせ、コスト負担を減らしたい」
「中国でビジネスを展開するには、やはり中国人が自らマネジメントしなければならない。そのために本当の管理職を作りたい」
など、企業側の希望があります。

 しかし、その企業側の希望はうまく中国人管理者に伝わらないことが多く、今でも、
「日系企業ではいくら頑張ってもせいぜい部長まで」
「幹部抜擢の際は、個人の能力よりは日本語が話せるかどうかだ。つまらない」
などと考えている人がいるのも現実です。

 それに対して、
「今の中国人管理職は個人のパフォーマンスはいい。また部下に対しての影響力も強いけど、管理職としては何かイマイチ安心して任せられないよ」
とため息を漏らす日本人トップも多いようです。

 では、その「イマイチ」と感じているのはいったい何でしょうか?

 お客様に管理職育成のプランを提案する際、いつも先に「中間管理職の理想像」(※図1 薛晴オリジナル)を提示しています。

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 この図は、中間管理職が発揮すべき4つの「力」を示しています。「上」に対しては「補佐力」、「下」に対しては「指導力」、「左」に対しては「調整力」、「右」に対しては「先読力」と、これら4つの力を発揮できることが中間管理職の理想像なのです。

 「イマイチ」と感じたのはその4つの「力」がアンバランスだからではないでしょうか? 特にこの4つの「力」の中で「補佐力」が中国人管理者の一番の盲点です。

 実際に、管理職の研修でこの図を受講者の方に提示すると、一番反応があって「なるほど」と納得されるのが「補佐力」です。
「今まで上司の補佐を考えたこともなかったです。今後ぜひやってみたいです」
「なるほど、自分の役割は上司を助けることも含まれるんですね」
「補佐力の発揮は上司をマネジメントすること、この観点が新しいですね」
など、初めて知ることができたと多くの受講者から声があがっています。