2018年10月25日、東京・日本橋で開催された「日経BPダイバーシティトップセミナー」。最終回の第4回は、サントリーホールディングスと日立製作所のダイバーシティ担当者をパネラーに迎えたパネルディスカッションをお送りする。テーマは、「人事・ダイバーシティ担当者が語る組織風土改革の勘所」。引き続き、中央大学大学院戦略経営研究所の佐藤博樹教授が参加、モデレーターは日経BP総研フェローの麓幸子が務めた。
(取材・文=西尾英子、撮影=武井俊晴)

サントリーHD……「働き方ナカミ改革」に取り組む

 まず、サントリーホールディングス人事部課長の竹舛啓介氏が、サントリーの働き方の特徴であるフレキシブルなワークスタイルを紹介した。同社では、2010年から、原則コアタイムのないフレックス勤務や、10分単位から取得可能で週の半分以上出社すればOKという在宅勤務制度などを導入。同社では、テレワーク利用者は対象者の8割に上る。「勤務する時間や場所の制約を取り払うことで、多様な人たちが活躍できる環境が整った」と竹舛氏。一方で、総労働時間の削減が進まないという課題を抱えていた。そこで、2016年に新たな取り組みをスタート。各部署で具体的なアクションプランを立案し、労使一体となってPDCA を実行。その結果、2016年の総労働時間は1990年代前半に比べて51時間減と、大きく改善することができた。

サントリーホールディングス 人事部 課長 竹舛啓介氏
2002年、サントリー入社、中・四国支社配属。2005年、人事部へ異動。労使交渉・人事制度改定等を担当。2016年、人事部 企画・労務グループ課長、人事部門戦略立案・推進、人件費マネジメント・労使交渉・人事制度改定・働き方改革等を担当、現在に至る。

 さらに、2017年を「働き方ナカミ改革元年」と位置づけ、①テレワーク(VPN)や高性能テレビ会議の活用など、IT活用を軸としたBPRのさらなる推進 ②働き方改革推進リーダー制度の導入 ③ナレッジ創出展開の強化、の3つを軸に取り組みを強化。

 ②の取り組みでは、部署ごとに選出されたリーダーが主体となって活動を推進している。「すべての部署で主体的に働き方ナカミ改革が推進されている状態を目指す」(竹舛氏)。各部署での取り組みと得られたノウハウを、③のナレッジサイト「変えてみなはれ」で共有。竹舛氏は、「様々な気付きを得ることで改善が進み、イノベーションにつながるという創発サイクルを作ることが狙い。半期に1回、優良な事例は表彰し、賞金を出すなど、インセンティブも用意して楽しみながら盛り上げている。今年はさらに体制を強化し、改革を加速させていきたい」と話す。