学生たちが真剣な表情で語り合ったテーマとアイデアは、例えば以下のようなものだ。

●観客が使用する紙コップやストローは資源の無駄になる。オリジナルタンブラーをつくったり、ストローをなくしたりするなどして、資源削減ができないだろうか。

●選手村の宿泊施設を競技終了後に住居などとして有効利用する方法を考える必要がある。

●イスラム圏から来た人たちのためのハラール対応の飲食スポットを用意しなければならない。

●トイレの衛生をいかに保つかを考えるべき。

●アスリートと観客が一緒に会場を掃除することを呼び掛けてはどうか。

●自転車のシェアリングサービスを用意すれば、会場間を移動しやすくなるのでは。

●熱中症対策を具体的に考えることが必要。

「学ぶこと」と「働くこと」をつなぎたい

 プログラムの第2部では、パラリンピック競技であるボッチャとVRフェンシングの体験、第3部では実践女子大学礼法研究部の協力による箸袋づくりと箸使いの作法の体験学習が行われた。最後の第4部で情報交換会とビンゴ大会が開催され、この日のプログラムは終了した。

 全プログラム終了後のアンケートでは、参加した学生たちから次のような意見が寄せられた。

●様々な価値観を持つ大学生と話したことで、自分の視野が何倍にも広がった。

●意見交換や発表の際に、みんなが堂々と、理路整然と話す姿を見て、このような場にもっと参加し、経験を積まなくてはならないと感じた。

●ワークショップの途中でグループ間を移動することで、いろいろな人と交流ができたのがよかった。ディスカッションの時間がもっとほしかった。

●意欲のある同年代の他の大学の人たちと交流できたことは大きな刺激になった。初めて会ったにもかかわらず、終わった後に「さみしいな」と思えるような人たちばかりで、とてもいい時間が過ごせた。

●オリンピック・パラリンピック関連のイベントは男子が多いイメージだったので、今回女子だけで集まり、交流を深められたことがとても有意義だった。

テーブルごとにアイデアを発表。プレゼンする機会も貴重だ

 プログラムの企画・運営を中心となって担っている実践女子大学文学部国文学科の深澤晶久教授は、「大学生は、どうしてもコミュニティーが限られてしまいがちです。様々な大学の学生同士で交流することで学生の意識を変えていきたい。それが私の思いです。このプログラムは2019年がラストイヤーとなりますが、その後もまた別の切り口で取り組みを続けていきたいと思います」と語る。「学ぶこと」と「働くこと」をつなぎたい──。それが深澤氏の狙いだという。

 学生が主体となって社会的課題に対する問題を考え、学生ならではのアイデアや提案にまとめあげていく。いわゆるアクティブラーニングの一例だ。東京2020大会などを契機に、社会に目を向け、行動を始める学生たちが増えてきている。学生たちがこのプログラムで学んだことが、社会人となったのちの働き方や生き方に有意義に生かされることに期待したい。