「ダイバーシティ&イノベーションリーダーズ(D&IL)フォーラム」(日経BP総合研究所が運営)では、企業のダイバーシティマネジメント推進を支援するため、参加企業の女性活躍度診断や年に数回の研究会を行っている。2020年1月23日、2019年度フォーラムの第4回研究会が日経BPセミナールームにて開催された。この様子をリポートする(取材・文=坂下明子)。

 今回の研究会のテーマは、多様な人材(LGBT、障がい者など)とともに働くこと。先進企業として登壇したのは、2017年に米フォーブス誌「世界で最も革新的な企業」の1位に選出されたセールスフォース・ドットコムである。同社人事本部 人事プログラムの酒寄久美子シニアマネージャーが、同社の職場における平等推進施策について説明した。

講演するセールスフォース・ドットコム 人事本部 人事プログラム シニアマネージャー 酒寄久美子氏

 セールスフォース・ドットコムでは創業当初より、社員のボランティア活動やNPOの支援といった社会貢献活動に取り組んできた。その背景にあるのが、コアバリューとして掲げる「Equality(平等)」だ。第4次産業革命の時代にあって、多様性は企業の成功と革新に欠かせない条件だと考え、賃金の平等、教育の平等、権利の平等、機会の平等と4つの柱を掲げて、業務の一環として不平等の解消に臨んでいる。

 平等の理念をオフィスに根付かせる原動力となっているのが、社員が主体となって活動する「従業員リソースグループ(ERG)」だ。米国本社ではすでに12のERGが稼働しており、日本でもLGBTQにおける平等を求める「Outforce」をはじめ、4つのERGが活動を展開している。会社側も、平等な職場づくりの意義や方法について学べるオンライン学習ツールを提供するなどして、ダイバーシティに対する理解の促進を図っていると説明した。

特例子会社による障がい者採用と定着管理

 次に、横浜ゴム 経営企画本部 ダイバーシティ推進タスク 若林真知江タスクリーダーが、同社の障がい者雇用の取り組みを紹介した。同社は、主に工場で障がい者を雇用してきたが、2009年の販売会社統合によりグループの従業員数が増大したため、法定障がい者雇用率2.0%(当時)の達成に新たな対応が必要となった。

 そこで研究開発センターを併設する平塚製造所に、特例子会社を設立。名刺作成、トイレや会議室の清掃、郵便や社内メールの収集・仕分け・配達などの業務を知的障がい者が担当し、その指導員としてOBを活用しているという。また、障がい者の採用におけるポイントや、中長期的な課題、今後予定している展開などについて説明があった。

横浜ゴム 経営企画本部 ダイバーシティ推進タスク タスクリーダー 若林真知江氏