未来のオフィス空間を創出する――。こうした目標を掲げた実証実験が東京・丸の内のオフィスビルで進行中だ。空調大手のダイキン工業を中心とした異業種プロジェクト「CRESNECT」(クレスネクト)が、2019年7月に開設したコワーキングスペース「point 0 marunouchi」(ポイントゼロマルノウチ)において、参加企業各社が保有する技術やデータを組み合わせて未来のオフィス空間づくりに向けた実証実験を展開しているのだ。2020年2月3、4日に同施設で、実証の成果や進捗・展望を披露するイベント「point 0 ignite 2020 winter」が開催された。
(取材・文=吉川和宏)

異業種の協業で「未来のオフィス空間」の構築を目指す

 円形のスポット照明に照らされた観葉植物、カフェのようにくつろげるオープンエリア、靴を脱いでくつろげる瞑想(めいそう)スペース――。イノベーションの創出を目的として自社内に非日常的な空間を設ける企業が増えているが、point 0 marunouchiには他の施設にはない特徴がある。それは、施設全体に設置された無数のセンサーが、温度や照度などの環境データや、利用者の位置情報を収集している点だ。

天井や壁面には温度・湿度・CO2・騒音・照度・位置情報などを収集するためのセンサーが設置されている。規格を統一するのではなく協業のスピードを優先し、各社で必要となるセンサーをそれぞれ設置した。(撮影:吉澤咲子)

 この施設を開設したCRESNECTはもともと、2018年2月にダイキン工業が単独で発表したプロジェクト。空調機にセンサーやカメラを組み込むことによって、温度や湿度、空間の明るさや音、人の数や位置、動き方など人と空間に関する多様なデータを収集して、オフィス空間づくりに役立てることを狙った取り組みだ。発表当初から、パートナー企業と協業することを明言していた。