松丘:もっと深く話し合えるように、どのような工夫がなされたのでしょうか?

佐藤:ベストプラクティスの共有を行いました。すると共通項として見えてきたのは、うまくいっていることをマネジャーが見てあげて、ここはすごくがんばったよねとか、あれは素晴らしい成果だったよねといったことを中心に話していくと、従業員が自分に自信を持ち始めるということです。自信を持ってくれた様子を見て、こんな仕事もやってみればとマネジャーが言えるようになってきました。そういう仕事は苦手だから嫌だなという気持ちを持っていたとしても、ちょっとやってみようかなと、やっているうちに苦手意識がなくなっていくことも結果として分かってきました。

自主性とチームエンゲージメントが向上

松丘:対話による成果として、どのような変化が生まれていますか?

佐藤:自分の仕事は何なのか、自分ができることって何だろうと考えるようになってきています。こういう状況だからできないという考え方ではなく、どうやったらできるだろうか、今できるところまではとにかくやろうと、考え方をシフトできるようになってきました。そういう人が増えてきて、それが主流になってくるというのが、カルチャー変化の兆しとして感じられます。

松丘:皆がポジティブに未来志向で考えられると、ビジネスの変化がドライブされるでしょうね。

佐藤:小売業には良い時も悪い時もあるのです。どんなに頑張っても時代的にうまくいかない時もあることは仕方ありません。それでも、皆が同じ気持ちでできることをやろうよという話ができてくると、会社へのエンゲージメントが高まるというか、ここで働きたい、この仲間と働きたいというような気持ちが強くなってきて、モチベーション向上につながってきます。

松丘:チームエンゲージメントにもつながっているのですね。

佐藤:共通言語ができたので、どうやって良い職場環境を作っていこうかといった話も部門を越えてできてきました。例えば、楽しく働けるようハロウィンやクリスマスなどの行事に積極的に参加して盛り上げる、職場の仲間同士が協力してボランティア活動を企画するなど、チームワークが生まれエンゲージメントが高まったように思います。

また、他部署との協力態勢にも良い影響がみられています。部門が違っても最終的に目指しているビジネスの終着点は一緒です。お店に来てくださるお客さまに満足いただける商品、サービス、買い物体験を提供するために、必要な情報があればどんどん共有し、部署の垣根を越えて協働するという企業風土ができています。