パフォーマンススタンダードを自分たちで肉づけ

松丘:新制度の導入から3年が経過して、現在、どのような段階に来ていますか?

佐藤:今、ビジネスの結果に対する年度末評価を始めているのですが、その際にパフォーマンススタンダード(注:同社で求められる働き方の指針)を軸にしながら一人ひとりのアセスメントを行っています。パフォーマンススタンダードの内容は解釈がいくつかできるようなフレキシブルなものです。なので、一つの文言をどういうふうに理解するかが人によって違うため、そこをしっかり話し合っていこうとしています。

例えば、「誠実さをもってより市場で勝ち残るためあらゆる努力を惜しみません」という文言が入っているのですが、自分たちの部署の場合はどういうことを意味するのだろうといった話し合いができるようになってきました。さらに、どれくらいのレベルでやらなければならないのか、それを職責の大きさ、位置づけによってどれくらいまで求めるのか、といった話もできるようになってきています。

そのレベルごとの話し合いをプレカリブレーションと呼んでいます。うちの部署ではこういうことが求められました、特にマネジャーレベルはこれくらい、従業員の人はこれくらいのレベルができなければならないといったすり合わせをまず行います。それに基づいて一人ひとりのアセスメントを実施して、部門の中でそれを共有し、具体的に今年のマッピングを決めます。それが決まったら、それに基づいて予算を配分していくというような流れですね。昔は予算配分を先にやっていたのですが、それをやめてプレカリブレーションという形での基準合わせを先にするやり方に変えました。

松丘:個々のマネジャーに任せきりにしているわけではないのですね。御社のパフォーマンススタンダードはシンプルで短いので、これだけで運用するとなると、かなりすり合わせをしないと難しいですね。

佐藤:そうなんです。パフォーマンススタンダードのこの言葉はどういう意味だろうという話し合いから始めます。でも、話し合いをするのがいいねと皆が言いますね。時間はかかりますが、自分はこういうふうに理解しているということを他の人と共有し、他の人の考え方を聞くことによって落としどころが見えてきます。

松丘:基準自体はシンプルにして、自分たちで意味を肉づけしていくというやり方ですね。

佐藤:GPSでは、まず考え方を示します。それを理解してください。それをもとにどういう運用をしたら自分たちにフィットするのかを考えてください、というやり方をしています。肉づけは各部門で、自分たちでやりましょうということなんです。