急ピッチで広がる「働き方改革」。コロナショックで、その動きはさらに加速中だ。けれど、時短推進と業績向上はどうすれば両立できるのか。対応に悩む社長は多い。その解決法を紹介するシリーズの第2回は、大創(大阪府大東市)を採り上げる。月100時間を超えることが常態化していた残業を、半減以下にすることに成功した事例だ。

大創は1971年創業で、大塚社長は2代目だ
(撮影:水野浩志)

 先代から2011年に経営を引き継ぐとき、残業削減という大きな課題を与えられたのが大創(大阪府大東市)の大塚雅一社長だ。

 同社は、段ボールや厚紙などの商品梱包材を加工するときに必要な抜き型を作っている。ゲームメーカーやコンビニエンスストアなど大手企業との取引も多く、「受注は拒まず納期は守る」を信条としていた。

 そんな風土が影響して、改革前は「社員の9割で月の残業が100時間を超え、深夜残業も常態化していた」(大塚社長)という状況。そこで16年から残業削減に本腰を入れて取り組んだ結果、直近1年の残業時間を一人月平均23時間まで減らすことに成功した。

 残業削減に取り組む以前は、社員の年間離職率が30%を下回ることがなかったという。それでも「去る者は追わず」で対策も打たなかったため、社員を確保することが年々難しくなった。働き方改革は急務だった。

 大塚社長はまず、社員に向けて時間に対する意識を変えようと呼びかけた。

 「目指したのは、時間無制限の野球型から時間制限があるサッカー型へのシフト」(大塚社長)。とにかく時間がかかっても売り上げが立てばいいという発想から脱却することを掲げた。

 とはいえ、大幅な残業削減を急にしたら売り上げが落ち込むばかりか、顧客の要求にも応えられなくなる。そこで初めは午後10時まで、次に9時、さらに8時……と、毎年一時間ずつ削減するようにした。残業する必要があれば、ずるずると長引きやすい夜ではなく、翌朝早くさせるようにした。