急ピッチで広がる「働き方改革」。コロナショックで、その動きはさらに加速中だ。けれど、時短推進と業績向上はどうすれば両立できるのか。対応に悩む社長は多い。その解決法を紹介するシリーズの第4回目は、RDサポート(東京・中央区)を取り上げる。早くからテレワークに取り組み、成果を上げている事例である。

「少しの工夫で社員は自律的に働くようになる」とRDサポートの大澤裕樹社長
(撮影:尾関裕士)

 自宅など会社以外の場所でパソコンやテレビ会議を使って働くテレワークは、社員の働き方を柔軟にする。何より、通勤時間が短くなって体力的な負担が減る。一人で仕事に集中できるというメリットもある。場所や時間にとらわれずに働くことは、生産性向上にもつながりやすい。

 半面、テレワークには、会社の目が社員に行き届かなくなるのではないかという懸念も残る。生産性向上の効果は理解しつつも、社員が仕事をさぼりやすくなる点を気にして、導入をためらっている経営者は多い。

 その問題を解決したのが、食品や医薬品などの業界に特化した人材派遣や健康経営の支援を手がけるRDサポート(東京・中央区)だ。2016年、同社は社員に「適度な緊張感」を保つルールを設けたうえでテレワークを利用し始めた。

 テレワークの導入による生産性向上効果はてきめんで、残業時間は36%減ったという。営業の成約件数が増えるなど効果は業績にも表れ、18年5月期の売上高は前期比約10%アップの9億円だった。19年5月期も約10億円と右肩上がりで伸びている。

一日の予定を全社に公開

 RDサポートでは入社2年目以降の正社員がテレワークを週に3回まで利用できる。上司の許可を得る必要はなく、本人が申告するだけでいい。大澤裕樹社長は「テレワークの利用を社員の自主性に委ねることで、本人が『自分で決めた以上、きちんと仕事をして成果を出さないといけない』と働き方を律することを期待している」と話す。

 社員に自立心を持つことを促す最たるルールが、テレワーク日の予定を前日までに社内に共有する点だ。同社ではテレワークの導入前から社内の個人スケジュール管理システムに、取引先や同僚とのアポイントを書き込むのがルールだった。テレワークの場合はそれに加えて一人で進める作業も、開始時刻と終了時刻とともに書き込むことを取り決めた。