リーダーシップ・アカデミーTACL代表のピーター・D・ピーダーセン氏は、20年以上にわたり多数の日本の組織と仕事をしてきた環境・CSRコンサルタント。氏は、これからの日本企業の活性化には「従来の成功の方程式」は通用せず、「マネジメント・イノベーション」が必要だと説く。今回から3回にわたり、日本企業が抱える課題と解決へのアプローチ、必要とされるマネジメント・イノベーションとは何か、また企業に改革を起こす「マネジメント・イノベーター」の育成について、ピーダーセン氏に聞いた。
(取材=大塚 葉:日経BP総研 HR人材開発センター長 文=坂下明子 撮影=山田愼二)

組織に必要なのはマネジメント・イノベーション

――最初に、これまでピーダーセンさんが企業コンサルティングを行ってきたなかで、「組織のあり方」に注目するようになった経緯を教えてください。

ピーター・D・ピーダーセン(以下ピーダーセン):20年以上にわたり日本の企業や経済団体、行政機関など数々の組織と仕事をしてきましたが、特にバブル経済の崩壊以降、組織の硬直化が目立つようになったと感じています。

 近年、「回復力」「復元力」を意味する「レジリエンス(resilience)」という言葉が、組織論でも注目されています。組織のあるべき姿に関する有名な書籍として、80年代には『エクセレント・カンパニー』、90年代に『ビジョナリーカンパニー』がありました。それぞれが、優れた企業組織の原理原則を多くの事例を交えて説いていました。しかし、当時語られていた「成功の方程式」は、21世紀型の企業や組織にそのまま通用することはありません。

 未来がますます予測しにくくなった今、目指すべきは、しなやかで強い「レジリエントカンパニー」だと考えています。そのため数年前から、マネジメントの変革(=マネジメント・イノベーション)をテーマとした執筆や講演・研修活動に取り組んでいます。

リーダーシップ・アカデミーTACL代表
ピーター・D・ピーダーセン氏
1995年コペンハーゲン大学文化人類学部卒業。同年、中小企業向けのコンサルティング、国際シンポジウムの企画・運営などを行う東京の会社に就職。2000年環境・CSRコンサルティングを手掛けるイースクエアを共同創業、代表取締役社長に就任。11年同社共同創業者に。14年リーダーシップ・アカデミーTACL代表、15年NELIS-次世代リーダーグローバルネットワーク共同代表。