3月18日に実施された「女性活躍のための健康経営セミナー 時代に遅れない『健康経営』の条件と実例」(主催:日経BP総研メディカル・ヘルスラボ)。健康経営に女性のサポートの視点を導入することの意味と、その実践法について、健康経営を推進する立場から、経済産業省(以下、経産省)商務・サービスグループヘルスケア産業課係長の紺野春菜氏、女性の働き方と健康についての調査を実施している一般社団法人ラブテリ(Luvtelli)の豊永彩子氏、女性の健康サポートを健康経営で実践しているパソナ常務執行役員の岩下純子氏を迎え、話し合った。同セミナーの様子を2回に分けでリポートする。
(取材・文=福島安紀  構成=黒住紗織 日経BP総研メディカル・ヘルスラボ)
左から、経産省 紺野春菜係長、パソナ 岩下純子常務執行役員、ラブテリ 豊永彩子氏

健康経営が優秀な人材確保、定着率アップに

 経産省の紺野春菜氏がまず、同省の行う「健康経営」の推進についての概略を説明した。2014年度に上場企業を対象に原則1業種1社の「健康経営銘柄」選定をスタート。16年度には、中小企業やNPO法人、医療法人なども含め、「健康経営優良法人」認定制度を立ち上げた。これまでは健康経営優良法人(大規模法人部門)すべてを通称「ホワイト500」と呼んでいたが、19年度からは制度を変え、健康経営度調査での上位500法人を「ホワイト500」に認定している。

(出所:経済産業省)
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 「健康経営とは、従業員の健康、保持・増進の取り組みを経営的視点から考え、戦略的に実践することです。我々が想定しているのは病気の予防だけではありません。例えば、がんと仕事との両立支援など、病気になったとしても生き生きと働けることを目指しています。経営者が健康経営を理念として掲げることで、組織が活性化し、優秀な人材の獲得と定着につながります」。紺野氏は企業が健康経営に取り組む効果を、こう解説した。

「女性のやせ問題」は健康経営と今後の社会の課題

 健康経営銘柄と健康経営優良法人の選定・認定基準に新たに加え、2018年度から特に力を入れているのが「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」だ。「例えば、女性特有の月経随伴症状などによる労働損失は4911億円と試算されています。健康経営を通じて、月経、妊娠・出産、更年期といった女性特有の健康課題に対応し、女性が働きやすい社会環境の整備を進めることが企業の中の生産性と業績の向上に結びつくのではないでしょうか」