3月18日に実施された「女性活躍のための健康経営セミナー 時代に遅れない『健康経営』の条件と実例」。健康経営に女性のサポートの視点を導入することの意味と、その実践法について、前回は女性従業員へのケアを切り口にした健康経営と女性の働き方と健康についての調査を紹介した(詳しくはこちら)。今回は女性の健康サポートを健康経営で実践するパソナの事例紹介とともに、登壇者3人によるパネルディスカッションの様子をお伝えする。
(取材・文=福島安紀 構成=黒住紗織 日経BP総研メディカル・ヘルスラボ)

 健康経営に積極的に取り組む企業は、どのような女性従業員の健康対策を実践しているのだろうか。代表企業の一つ、人材サービス会社、パソナ常務執行役員の岩下純子氏が紹介した同社の取り組みを見てみよう。

各部署のアンカーマンを束ねる衛生委員会で、健康経営を全社で推進

 同社は女性活躍推進に関する取り組みを、キャリアサポートとヘルスサポートの2つの柱で進めている。岩下氏が健康経営の具体的な取り組みとして第一に挙げたのは、「専任部署の設置」だ。2016年12月に健康経営を推進する専任部署「健康経営ソリューション部(現メディカル健康経営本部)」を立ち上げた。社内向けの健康経営推進を進めると共に、そこから得られた知見・ノウハウを生かし、企業の健康経営担当者向けの健康経営勉強会・セミナー、健康経営体感ツアー、産業保健人財育成プログラムも開催している。

 「メディカル健康経営本部には、営業、内勤、コンサルタントとともに、保健師、管理栄養士、スポーツトレーナーが所属しています。人事部は健康経営を一緒に進めるパートナーですし、産業医と保健師が所属する健康推進室も別にあります。代表取締役社長をトップに3部門が三位一体となって健康経営を推進しているのが特徴です。また、その下に、横串で衛生委員会を設置しています」と岩下氏は説明した。

 衛生委員会は、各部署から選ばれた健康経営推進のアンカーマンで構成される。彼らが前述の3部門と連携して、自身が所属する部署に健康経営の取り組みを持ち帰って共有し、展開。健康経営のカルチャーを各部署で醸成する役割を果たす。

(出所:パソナ)
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やせ型女性に向けた特別プログラムで、生産性UP効果も

 岩下氏が、具体的な取り組みの2つ目に挙げたのは、「女性向け健康セミナー」だ。例えば、社内の管理栄養士が、鉄分、カルシウム、マグネシウムなど女性に不足しがちな栄養素を、おやつ・間食の中でどうやってとるのかをアドバイスするセミナーを実施。女性婦人科医など外部講師を招いて、働く女性に知ってほしい女性ホルモンに関するセミナーを開催するなど、社員の健康リテラシーを上げることを目指している。

 3つ目の取り組みは、BMI(体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m))が18.5未満の女性を「やせ型女性」とし、こうした女性にターゲットを絞った特別プログラム「すこやか美人塾」だ。

 やせ型の女性は運動不足、栄養不足、睡眠不足である可能性が比較的高く、結果的に肩こりなどの体調不良、貧血、PMS(月経前症候群)、更年期症状につながりやすい。そういった不調の解消を目指して開講した「すこやか美人塾」は8週間のプログラム。こうなりたいという姿をイメージしてもらい、健康的な美しさを目指して、ワーク形式で進められた。