ダイレクトリクルーティングの効果

 セミナー後半は、人材戦略の先進企業によるパネルディスカッションが行われた。パネリストとして大和ハウス工業東京本社人事部長の菊岡大輔氏、キュービック ピープルエクスペリエンスオフィス マネージャーの染谷和彦氏、ビズリーチ広域推進部長の山本憲明氏の3人を迎え、日経BP総研HR人材開発センター長大塚葉のモデレートで、「人事採用・育成戦略成功のポイント」を探った。

 優秀な人材の獲得、採用戦略にはどのような事例があり、成功の共通点は何か。自社の採用の取り組みについて口火を切ったビズリーチの山本氏は、採用の新しい形である「ダイレクトリクルーティング」を紹介した。

ビズリーチ広域推進部 部長 山本憲明氏

 ダイレクトリクルーティングとは「企業が欲しい人材を獲得するために、企業自身が採れる手段を主体的に考え、能動的に実行する」という採用活動である。人材紹介サービスや求人広告など旧来型の手法も含め、「社員紹介」やSNS活用も含めたあらゆる手段で、企業が採用したい人材に出会う場を作ることで、本当に欲しい優秀な人材が採用できると山本氏は強調する。同社もこの手法を使い、創業以来10年間で従業員を5人から1000人強へと大きく成長させた。採用コストも、人材紹介会社を通した場合の3分の1にカットできる。それを可能にしたのは、中途採用のリクルーティング専門チームを作ったことが大きな理由である、と語った。

 次に大和ハウス工業の菊岡氏が、同社の新卒採用、キャリア、シニア採用の工夫を紹介した。「新卒者はミレニアル世代からポストミレニアルへの移行期。採用では、この世代の志向性(地元や家族を大切にしたい、条件より社会的意義を重視したい、などの気持ち)に寄り添い、配属エリアの確約、家族向け会社説明会の開催を行っています」と話し、キャリア採用では異業種の人材、20カ国以上からの外国人材の積極採用をしていると語った。

 注目すべきは同社のシニア採用で、2013年に業界でもいち早く65歳定年制を、2015年には65歳以降も残れる新しい雇用制度を導入している。幅広い年代に加え、異業種、グローバル、シニアの採用と、ダイバーシティマネジメントを実現させる施策がうかがえた。

大和ハウス工業 東京本社 人事部長 菊岡大輔氏