学生が有給で数カ月、場合によっては数年間、企業で働き実務をこなす。これを「有給・長期インターン」と呼ぶ。一体どういうことなのか、知られざる実態とそこから得た学びについて、3社で経験した早稲田大学4年の高橋智香さんと、2社経験した明治学院大学4年の櫻田葉南さんが全4回の予定で報告する。今回は高橋さんが執筆した。
(谷島宣之=日経BP 日経BP総研 上席研究員)

 有給・長期インターンをすると、文字通り長期間企業で働くことで、学生らしからぬ裁量の大きい仕事に就けます。新卒なみ、企業によっては新卒でもなかなかできない経験すらできます。

 新卒採用ルールの改正や就活早期化の影響を受け、インターンという言葉を見かける機会は増えましたが、その多くは採用や事業理解のために3~5日程度で行われる無給・短期のインターンを指しています。

 長期に仕事をするとひと口に言ってもメディアの運営、テレアポ、法人営業、映像編集、Webデザイン、など内容は様々です。高橋の知り合いには南アフリカ共和国に1カ月渡航し、ブロックチェーンを使ったメディアに記事を執筆するインターンをした学生もいます。

 今回は、高橋がIT系企業のWebメディア改善活動を通じて、櫻田さんがPR会社のイベント運営を通じて、それぞれ経験したリアルと学びを紹介します。

高橋の経験・成果を知った別の企業からオファー

 「前の職場での経験を拝見して、オファーさせていただきます」。大学3年生の時、求人Webサイトから実際に私、高橋の携帯電話に届いたメールの一部です。長期インターンをしていて最も驚いたのは「経験が次の仕事につながる」ことでした。

 きっかけは1社目の長期インターンで従事した仕事の内容や実績を、求人につながるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のプロフィールに登録したことです。勢いのある日本のベンチャー企業や、動画サービスを手掛ける中国のユニコーン(評価額10億ドル以上の非上場企業)などからオファーメールを頂くようになりました。

 別のインターン先に内定を頂いていたので、オファーはお断りさせていただいたのですが、とてもうれしかったのを覚えています。

 自分が頑張った経験や培ったスキルが別の場所で評価され、お誘いにつながるケースがある。社会に出れば当たり前のことなのでしょうが、学生にとっては大きな発見でした。

 どんな仕事をしていたことが評価されたのか、説明します。私が1社目で取り組んだ業務は洋服や化粧品を紹介するWebメディアでのSEO(検索エンジン最適化)でした。

 SEOとは、Googleなどの検索エンジンでWebサイトが上位に表示されるように、サイト内に文章を書いたり、画像やタイトルを選んで設定したりする仕事のことです。

 私の携わっていたWebサイトは読者に広告を閲覧してもらうことが収益源でした。そのため、検索した結果が上位に表示されるようにして、よりたくさんの集客を見込む必要があったのです。

 私は「こうしたらもっと読んでもらえる」と考え、利用する方々にとって見やすい記事レイアウトに整えたり、既に公開している記事に商品の説明を付け加えたり、といったことに取り組みました。

 その結果、Googleで検索した結果の表示順位が30位以下から5位へと上がったり、記事のページビュー(閲覧数)が増えたりと、成果を上げられました。授業がない平日に週3日出勤し、10時~17時の就業時間の中で仮説を立て実行し、検証を繰り返したかいがありました。