就職や仕事について社会人とじっくり話す。こういう人との「つながり」を学生が得る手段がある。有給で数カ月、場合によっては数年間、企業で働く「有給・長期インターン」である。その経験を2社で働いた明治学院大学4年の櫻田葉南さんと、3社で働いた早稲田大学4年の高橋智香さんが全4回の予定で報告する。第2回目となる今回は櫻田さんが執筆した。
(谷島宣之:日経BP 日経BP総研 上席研究員)

 有給・長期インターンでは、学生が会社の一員となり先輩や上司、そして経営者と一緒に仕事をします。長期間共に過ごすため、社会人として活躍する彼ら彼女らとの「つながり」の度合いはより濃いものとなります。こうした人との「つながり」は、通常の大学生活を送っていては得ることができないでしょう。

 一緒に働く先輩から得る「つながり」から、以前インターンをしていた企業の上司との「つながり」まで、つながり方は様々です。有給・長期インターンを通じてどんな「つながり」を得たのか、何を学ぶことができたのか。私、櫻田と高橋さんの実体験を紹介します。

櫻田の経験その1・仕事にもなり得る社外との「つながり」

 「現在、当社はPR代理店を探しております。御社のサービスについて教えていただけませんか」

 FinTech事業を展開するスタートアップ企業の広報の方より、今年の4月12日に私に届いたメールの一部です。この一件により「人とのつながりは新たな仕事にもつながる」と実感できました。

 発端となった出来事はスタートアップ企業28社が4月2日に開催した「スタートアップ2019新卒合同入社式」でした。新卒社員がお互いに助け合える同期を社外に作るための試みです。

 この合同入社式には、私が長期インターンをしているPR会社からも2019年入社の新卒社員2人が参加しました。2020年の新卒社員になる私は対象外でしたが、インターン先が合同入社式の広報を担当していたため、メディア対応と受付担当として関わることができました。

 受付をしている時に出会ったのがメールで連絡をくださった広報の方です。イベントの開始時間が近づき、受付が混み合った時に「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてくださいました。お互い名乗る暇もなく受付業務をこなし、ようやく落ち着いた時に改めてご挨拶できました。

 私はスタートアップに関心があったので、初対面にもかかわらず、その方にあれこれ質問しました。なぜスタートアップに入社を決断したのか。後悔はないのか。どんなことにやりがいを感じているのか。入社への期待や不安、業務内容などです。その方はきちんと答えてくださいました。

 それから10日後、私に届いたのが冒頭で紹介したメール文です。結果としては相談されたサービス内容がインターン先のPR会社の強みを生かせる分野ではなかったため、お受けすることはできませんでした。

 しかしどんな人とのつながりでも、いつか仕事へとつながるかもしれない。そう実感できたこの出来事はとても有意義だったと思います。