日経BP総研とビズリーチでは、「人材・採用戦略」をテーマとした公開セミナーを3回開催する。その第2弾としてG20サミットを目前に控えた2019年6月26日、日本経済新聞社大阪本社にて「人手不足時代を生き残るための人材マネジメント力」を開催した。セミナー前半は、特別講演として元カルビー代表取締役会長兼CEOの松本晃氏と、基調講演として神戸大学大学院経営学研究科准教授の服部泰宏氏が登壇。後半は、採用戦略の先進企業として島津製作所人事部人材開発室室長の妹崎淑恵氏と、ビズリーチ広域推進部長の山本憲明氏を迎えてパネルディスカッションが行われた。
 (取材・文=浅井美江、撮影=行友重治)

“Change, or Die !” 変革せよ、さもなくば死ね!

 特別講演に登壇した元カルビー代表取締役会長兼CEOの松本晃氏は、「Our Business is People Business ―もっと稼げ!―」をテーマにジョンソン・エンド・ジョンソンからカルビーまでの約30年、経営トップとしてマネジメントに携わった間、必ず人事を右腕としてきたと話した。講演は、持ち前の経営論からカルビー就任の際行った変革の具体的な施策まで、実にプラクティカルな内容となった。

 まず松本氏は、現状分析として1989年ベルリンの壁が崩壊して以来、東西冷戦の終結と共にグローバリゼーションの進化や中国の台頭などにより世界は大きく変化したことに触れ、日本でも同様に高度成長が終焉。少子化・高齢化の時代に突入し、社会構造が大きく変わったことを指摘した。

 「もはや “Change , or Die !” 変革せよ、さもなくば死ね! という時代が到来したのです。しかし日本では変革がなかなか進まない。既得権益を手放すことへの強力な抵抗勢力と、長年積み重なってきた古き悪しき労働慣行が枷(かせ)となっているからです」と強調した。

 こうした状況の下、2009年カルビーの会長兼CEOに就任した松本氏は率先垂範して変革を断行。「松本のシンプル経営」なる理論をベースに様々な取り組みを行った。

元カルビー代表取締役会長兼CEO 松本晃氏
京都大学大学院修了後、1972年伊藤忠商事入社。1986年よりセンチュリーメディカルに出向。1993年より現・ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人に転じて、社長、最高顧問を歴任。2009年からカルビー会長 兼CEO。2018年6月よりRIZAPグループの経営に参画。2019年6月にラディクールジャパン株式会社を設立し、代表取締役会長CEOに就任。