2018年7月4~6日の3日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)において、日経BP社は「Human Capital 2018」を開催した。本年は、経営と人事と現場が一体となって会社を変えていく「働き方改革 第二章」にフォーカス。企業の生産性向上、人財活用、ワークスタイル変革などの課題を解決するソリューションを持った約170社が出展、来場者数は約19,000人にも及んだ。この最終日、ワークスタイル変革の要としてテレワークとダイバーシティについて考えるセミナーを実施。テレワークを主導する政府担当者・先進企業の講演、ディスカッションの中から、シスコシステムズ 執行役員 マーケティング本部長 鎌田道子氏による講演「働きがいのある会社づくり シスコの働き方改革」の内容をお届けする。
(構成=吉村克己、写真=稲垣純也)

東日本大震災時はテレワーク実務経験が糧となった

 当社は、テレワークには欠かせないビデオ会議システムをはじめとするICT関連の製品やサービスを提供する企業として、グローバルの売り上げが5兆円超、従業員は7万人強です。1992年に設立された日本法人は26年目を迎えました。セキュリティを確実に担保しながら快適なネットワーク環境を提供することが使命です。

鎌田道子氏
シスコシステムズ 執行役員 マーケティング本部長 鎌田道子氏

 日本法人として、最初に働き方改革に取り組んだのが2001年のことでした。第1段階として在宅勤務を導入、当初は外勤の営業メンバーを主体に始めました。最初はなかなか成果の「見える化」が進まないこともあり、試験的に実施していましたが、第2段階として2007年に全社員に在宅勤務を拡大しました。背景にはブロードバンドの普及もあります。第3段階は2011年、インクルージョン&ダイバーシティ活動を本格的に強化しました。

 この年、東日本大震災が発生し、東京ミッドタウンの本社オフィスにしばらく入れない状況になりました。当時、地震で数多くのお客様のネットワーク機材が被害を受け、接続できないというトラブルが続出しましたが、この時点で10年以上のテレワークの実務経験があり、業務に支障を来すことなく、サービス提供を継続できたことは貴重な体験でした。

日本の企業文化にあったソリューションを提案

 現在は第4段階として、市場変化に対応できる組織体制づくりを進めています。今後、日本では人口減少に伴い世界から様々な人材を確保してダイナミックな組織をつくっていくことが求められますが、シスコでも単なる在宅勤務やモバイルワークだけではなく、働き方、生産性、見える化などすべてにおいてよりよい環境を提供できるように進めています。

 私たちはワークスタイルイノベーションを3つの柱から推進しています。企業文化、人事プロセスと制度、テクノロジーです。この3つのうちどれが欠けても、テレワークや働き方改革はできません。意見や働き方など社員一人ひとりの多様性を認める企業風土は不可欠で、会社が公平に評価し、社員が次のステージに上がるための教育と支援を見える形で示していくことが大切です。