2019年5月29~31日の3日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)において、日経BPでは「Human Capital 2019」を開催した。本年は約185社が出展、来場者数は約1万9000人にも及ぶ。30日、ワークスタイル変革の要として「テレワーク」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。社員の働きがいと生産性向上の両立が企業の重要課題となるなか、改めて柔軟な勤務形態である「テレワーク」に注目が集まっている。総務省など政府が主導する官民一体のテレワーク推進キャンペーン「テレワーク・デイズ」の紹介を交えつつ、次世代の働き方を模索する先進企業の取り組み、テレワークのメリットとデメリットや今後のあるべき姿を探った。
(モデレーター=日経BP 日経BP総研 ヒューマンキャピタルOnline編集長 原田かおり、構成=若槻基文、写真=稲垣純也)

原田:テレワークなどの柔軟な勤務体系をどのように導入して評価に還元させるか、社員の一人ひとりのキャリア形成にどうつなげていくのか。いち早く取り組み、成果を上げている先進企業のパネリストの方々とディスカッションしていきます。

 では、ディスカッションに入る前に、総務省の飯村さんに「テレワーク・デイズ」の概要を紹介していただきます。

生産性の向上や業務の改善に効果

飯村(以下、敬称略):「テレワーク・デイズ」は、実際にテレワークを体験して、そのメリットを知っていただくための官民一体のキャンペーンです。テレワークという柔軟な働き方を全国に浸透させるとともに、2020年の東京五輪で予想される交通混雑を緩和する狙いもあります。2017年から毎年実施し、東京五輪の開会式が行われる7月24日を「テレワーク・デイ」と設定。この日をコア日として、その前後の期間中に民間企業や官公庁が一斉にテレワークを実施します。

総務省 情報流通行政局 情報流通高度化推進室長 飯村由香理氏

 第1回の2017年は7月24日の1日のみで約950団体、6万3000人が参加。2018年は7月23~27日の5日間に規模を拡大し、1682団体、約30万2000人が参加しました。3回目となる2019年は東京五輪前の本番テストとして、7月22~9月6日の約1カ月間を実施期間に設定、全国で約3000団体、60万人以上の参加を目標に、テレワークが日本社会に「レガシー」として定着することを目指しています。

 昨年のデイズ参加企業のアンケートでは、テレワークを実施したところ「コミュニケーションが活発化」「業務の見える化」「生産性の向上」したとの回答が多くあり、効果を実感していただいたことが分かりました。「社員同士のコミュニケーションや業務管理に不安があったが、実際にやってみると連絡が通常より密になったり、社員各自のタイムマネジメントの向上につながった」といった声もありました。

 定量的なデータでは、ペーパーレスや旅費・交通費などの減少といったコスト削減効果が確認できました。残業時間については、普段に比べて45%も減少したとのデータを得られ、業務効率化にもつながっていると考えています。

原田:次に、パネリストの皆さまから、次世代に向けた自社の働き方の取り組みについて簡単にご紹介いただきます。

長尾:NIコンサルティングは総勢80名ほどの会社です。北海道から九州まで全国8拠点あり、「可視化経営システム」というITと、生身のコンサルティングを融合したサービスを提供しています。

NIコンサルティング 代表取締役 長尾一洋氏