デジタルテクノロジーがもたらすテレワークの先にある未来

原田:テレワーク導入のその先についてはどのようにお考えでしょうか。

高野:テレワークはデジタルテクノロジーによって新しい働き方を生み出す手法ですが、将来的にはイノベーションにつなげたいと考えています。デジタルテクノロジーを駆使した、新しい取り組みにもチャレンジしています。その一つがアバター(分身)です。アバターは、テレワーク促進に密接に関わっており、例えば遠隔で自分のアバターやロボットを操作して仕事ができることになれば、働き方は大きく変わっていくと考えます。

松村:人材市場がグローバル化するなかで、これからは社外の力も積極的に活用すべきだと思います。例えばブロックチェーンを導入する場合、そのスペシャリストが社内にいるという会社はレアケースのはずです。外部のスペシャリストに一定期間だけ会社に来てもらうなどして、ノウハウを社内に取り込み、社内の人材のパフォーマンスの最大化につなげるという方法もあります。

 社外の人材活用という意味では、副業も推進すべきですが、現状では導入企業はまだ多くありません。冒頭でも少し触れましたが、弊社では自分の定型業務などを外注する社員がいます。能力のある社員の生産性が向上するのではあれば、副業やフリーランスで活躍する外部の人材の力をどんどん取り入れるべきだと思います。

飯村:現状では、テレワークのメリットは業務の効率化にとどまっています。さらに一人ひとりが自分の持てる才能や熱意をもって活躍できる。移動や出社、時間など働くうえでの様々な制限をなくすことで、イノベーションにつながる自由な発想を育む――これがこれからのテレワークが目指すべき方向性ではないでしょうか。

 「テレワーク・デイズ」にご参加いただいている企業の中には、単に業務の効率化を目指すだけではなく、付加価値をどう見いだしていくかを複数企業で連携して考える動きも出てきています。

長尾:労働の主流が頭脳労働や接客労働となっていく中では、創造性や心を込めて働くことが求められます。一人ひとりの社員が前向きな気持ちで仕事に取り組めるかがカギとなるでしょう。言われたことを渋々しかやらないのであれば、テレワークであろうと何だろうとロボットに置き換えてしまえばいいわけです。また、組織としては遠心力にもなり得る可能性があるなど、テレワークの副作用についても目を向けるべきではないでしょうか。

高野:私たちが最終的に目指すイメージは、「自分らしい働き方」を一人ひとりの社員が見つけることです。そのためのツールとしてテレワークを生かしたいと考えています。働き方改革によって帰宅時間が早まったこともあり、働く意義や自分の人生における大事な時間をどのように使うのかを改めて問い直す人が増えているのではないでしょうか。

 テレワークをきっかけに、社員がのびのびとした「自分らしい働き方」を見つける。その結果、会社へのエンゲージメントが高まり、企業価値が高まる。こうしたステップを念頭に置きつつ、今後も社内でていねいに議論を行い、一歩ずつ前進していきたいと思っています。