コロナ禍でオンライン上でのミーティングや研修に取り組むようになった企業が急増している。オンラインでは、コミュニケーションや空間など相互のやり取りの制限があるので、これまで以上にファシリテーションスキルが求められる。これからの時代に求められるファシリテーションスキルとは何か、そしてオンラインでも企業の活性化につながる研修とはどんなことなのか――。この連載で、これらのことを解き明かしていく。

 今回は、400社以上の組織変革などに携わり、現在もオンライン/オンサイト共に研修やワークショップなどをファシリテートしているSYSTEMIC CHANGEで代表取締役を務める東嗣了氏が解説する。

Q.これまでの対面型の研修をオンライン型に切り替えていきたいと考えています。どのようなことに留意すればよいでしょうか?

A.オンラインで研修を行う際には双方向で情報伝達する場面でのファシリテーションに工夫が必要です。ワークショップのような対話型の研修は移行が難しいように思えますが、実はオンラインと相性が良くなっています。

■Point1
対面型の代替という考えから脱却する

 オンラインでのセミナーや研修の依頼は主に2つに分かれます。これまで対面で実施していた研修をそのままオンライン化するパターンと、あえてオンラインの環境を想定してゼロベースで作る研修です。内容は様々ですが、オンラインの環境だからこそ、対話型や内省型のワークショップや組織開発の文脈での場作りを私は提案していますし、実施することが多くなっています(この理由はPoint2をご覧ください)。

 オンラインの研修を設計していくうえで改めて大切なことは、対面型研修の代替という考え方から脱却することです。コロナ禍の当初は、応急処置的な対応でオンライン研修を実施していた組織も多かったと思いますが、コロナの状況が長期化する今、新しい学びの場をオンライン上にデザインするという意識の転換が求められます。

 オンライン型研修といってもいろいろありますが、下記のようなアプローチがあります。目的に合わせて最適な手法を検討するとよいでしょう。

○オンライン型研修の種類と向いている内容

・完全なオンライン講義型
20名前後の参加者に対して知識スキルの付与に最適(例:コミュニケーション研修、財務会計スキル研修など)

・動画による自主学習型
参加者の時間を拘束せずに学びの機会を作れる。大規模な参加者に届けることができる(例:Eラーニング研修など)

・対話ワークショップ型
内省を促し、対話を通して気づきを得ることができる(例:リーダーシップ研修、働き方改革ワークショップなど)

・アクションラーニング型
オンライン上で各参加者がプレゼンテーションを実施し、戦略課題をフィードバックし合うことができる(例:戦略・課題解決型アクションラーニングなど)

・組織開発コーチング型
対話やコーチングを通して自分たちの組織課題に自覚的になり、新たな行動変容につなげることができる(例:組織風土変革プロジェクト、チームコーチングなど)