日経BP総研、HR人材開発センターが運営する「ダイバーシティ&イノベーションリーダーズ(D&IL)フォーラム」。企業のダイバーシティマネジメント推進を支援するため、参加企業の女性活躍度診断リポートや年に数回の研究会などを行っている。2019年6月20日、本年度フォーラムの第1回研究会が東京・お茶の水で開催された。この様子をリポートする。

 冒頭で日経BP総研HR人材開発センター長大塚葉が、本フォーラムの趣旨を説明。企業にとってダイバーシティマネジメントは重要な人材戦略であり、成長戦略につながる旨を説明した。

講演するHR人材開発センター長 大塚

 次いで中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)教授の佐藤博樹氏が登壇し、「誤解の多いダイバーシティ経営」というテーマで講演。「ダイバーシティ経営がうまくいかない理由は、管理職が自分と同じ価値観を部下に求めてしまっていること」と佐藤教授は指摘する。「自分と違う多様な属性や価値観を持った部下をマネジメントし、意欲的に働いてもらうには、管理職の意識を変えることが大事」と語った。

中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)教授の佐藤博樹氏

 ダイバーシティマネジメントで重要なポイントの一つに教授は「適材適所の人材配置」を挙げるが、「フルタイムで働けて残業OKという、会社にとって使い勝手がいい人材」だけを集めるのは望ましくないと指摘する。例えばあるプロジェクトに必要な人材として、短時間勤務の社員をチームに加えないのではダイバーシティとは言えない。「その意味で、ダイバーシティと働き方改革はつながっている」と教授は語る。単なる残業時間削減ではなく、多様な人材が働きやすい環境を作り、仕事の進め方を工夫して生産性を上げることが大事、と指摘する。

 もう一つのポイントは、経営理念の浸透だ。「次に着手する事業を決める時も、自社の理念に則して検討すべき。社員が理念やビジョンなどの共通の柱を持てるよう、徹底的に浸透させることが必要」と教授は語る。