悩むうちに、何か行動を起こすべきだと考えた高橋さんは、知人や昔のインターン先の上司に自分の状況について相談しました。そこで次のアドバイスをもらいました。

 「仕事は与えられるものではなく自ら作り出すものだよ。チャンスがないと嘆くのではなく、やれることからやってみるといいんじゃないかな」

 その時、自分が上司や会社からの「指示待ち」をしていたことに気付いたそうです。

 「思い返してみると、かつてアルバイトをしていたイタリア料理店での仕事や、それまでのインターン先でも、自分はどうも指示待ち状態を続けていたのではないかと感じました」

 高橋さんはこの元上司の一言がきっかけで、棚の掃除やコピー取り、簡単な書類の整理など、社内で目についた仕事はなんでも取り組むようにしました。

 仕事を続けていくうちに、少しずつ上司や社内の別部署の先輩からも信頼を得ることができ、インターンを始めて2カ月後、上長からこんな声をかけてもらったそうです。

 「高橋さんはよく仕事をしてくれているね。今度、取材にいって文章を書いてみるといいよ」

 こうして高橋さんは入社前からずっと興味のあった取材・執筆をするチャンスを得ることができました。それ以降、月に1、2本ほど、インターンを始めて1年経った現在も記事を書いています。

 インターン経験を通じて「仕事は与えられるものではなく作り出すもの」という姿勢を学生のうちに身に付けられたと高橋さんは話しています。

 「仕事を得るためには、まず自ら動くこと。そして少しずつでも成果を出す。そうすれば新たなチャンスをつかめます。インターンを通じて得たこの仕事観はこれから社会人になってもずっと肝に銘じていきたいです」(高橋さん)

 私、櫻田も同様の経験をしました。無条件に与えてもらえるのは学生まででしょう。社会人となり、仕事のチャンスを得るためには仕事を作り出す姿勢をとらなければなりません。

得たものは仕事観

 有給・長期インターンをすると周りの学生より一足先に仕事に取り組むことができます。「学生だから」という言い訳は通用しません。

 一人の社員として振る舞うことが求められる環境で働くと、仕事をするうえで必要な姿勢、仕事観を身に付けることができます。それが成果や相手からの信頼につながります。

 その姿勢があれば社会人になった時、自分がやりたい仕事、やるべき仕事を任せてもらえると思っています。

「作業ではなく仕事を」「仕事は自分で作り出す」。似た言葉を見聞きしたり、部下や後輩に伝えたりしている方は多いはずだ。だが、自分がいつそれを知ったのか、即答できる人はどのくらいいるだろうか。「あの時、先輩にこう叱られた」と覚えている人は恵まれているが、学生の頃は知らなかったのではないか。仕事に取り組む姿勢をしっかりとれる。早ければ早いほどよいはずだ。
(谷島宣之)

櫻田 葉南(さくらだ・はな) 明治学院大学経済学部 4年生
櫻田 葉南 大学ではマーケティングを専攻。2018年8月からPR会社で仕事を始める。IT企業や高級オーディオメーカー、大手外食チェーンまで様々な企業の広報代理を担当。自社プロジェクト『推し本CAFE』の企画・実行にも携わる。PR会社と並行して、2018年10月から半年間、M&A仲介企業で働いた。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。