採用ブランディングで重要な点は、応募者に会社のあり方をどう伝えるか、です。学生を採用したいのであれば、若者の目にあなたの会社がどのように映るかを考えなければいけません。具体的な事例を挙げながら、採用につながる取り組みを解説します。

 説明会や面接で、求職者から「御社は社会貢献活動をされていますか?」という質問を受けたことはないでしょうか。日本が高度経済成長を終えた時代に生まれた今の若者は、稼ぎたい、高級なものが欲しい、というような物的欲求が薄い一方で、社会貢献に強い関心を持っています。

 近年はSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に注目が集まっています。これは、2015年に国連総会で採択され、世界全体で目指す2030年までの目標です。「ジェンダーの平等」や「貧困をなくす」など17のテーマにおける目標が明記されています。日本では少子高齢化による労働人口の減少が大きな課題になっています。特に働き方改革や女性活躍推進は、中小企業にとっても密接に関わるテーマだといえるでしょう。

 同じ業種、同じ待遇で、もし社会貢献をしている会社としていない会社に内定をもらったとしたら、今の若者の多くは社会貢献活動をしている会社、もしくはより社会貢献的なイメージがある会社を選びます。余裕がない、時間がないと敬遠する前に、ぜひ簡単にできる、かつ採用活動へのインパクトも兼ね備えたアクションを、一緒に考えてみましょう。

寄付よりも汗を流す活動を

 一言で社会貢献といっても、様々な活動があります。多くの企業が選びがちなのが、「では、寄付をしよう」というものです。確かに手っ取り早い方法ではありますが、そこにはあまり思いやストーリーを感じません。立派なことではありますが、むやみにただ寄付活動をするよりも、ここはもう少し採用により効くという観点で考えてみましょう。

 米国でよく話に出されるのが、ハムエッグの法則です。一つのハムエッグをつくるのに、豚とニワトリはどちらが努力したかという話なのですが、豚は自分の身を削っているのに対しニワトリは卵を産んだだけ、というたとえ話です。寄付というのはニワトリの行動だということを示唆しています(実際にはニワトリが卵を産むのも痛みが伴うかもしれませんが)。

 せっかく活動するのですから、社員たちが実際に汗をかいて行動し、達成感を味わえるような「豚型」の活動を考えてみましょう。例えば、水産業であれば砂浜のゴミ拾い、特に、マイクロプラスチックの海洋汚染問題の観点からプラスチックごみを拾う活動はどうでしょうか。

 本業を離れて過ごす一日でありながら、本業に関連している何かに貢献する、これが良いのです。社員全員で特別な日を過ごすことは、社員たちの結束を強める貴重な経験となります。また、このような社外活動をすれば、良い写真を残すこともできます。採用(だけ)を目的にした社会貢献活動は本末転倒ですが、こうした活動の写真をコーポレートサイトや採用冊子に載せることが採用活動におけるアピールポイントになります。ブランディングにおいては、良い写真を残すことが非常に大切なのです。