また、事務職以外では「コミュニケーションスタッフ」と呼ばれる仕事もニーズが高く、主婦層の活躍を求められています。

 「コミュニケーションスタッフとは、いわゆる接客や販売という職種の括り仕事ではなく、既存顧客との関係維持のためのルート営業や、マンションのコンシェルジュなど、高いコミュニケーション能力が求められる仕事を称してそう呼んでいます。一般的な営業職のイメージとは異なり、ノルマに追われるのではなく、比較的自分のペースで働けるので、実際、主婦の方も増えています」(しゅふJOB総研川上さん)。

 同様に、高度なコミュニケーション能力が必要なホテルなどの「おもてなし人材」も不足していて、主婦層への期待が高まっています。

働き方、仕事の選択肢が増えている

 市場の拡大に伴って、働き方の選択肢も増えています。人材不足の中、少しでも人材を確保したい企業は、時間に制約のある主婦層が働きやすいよう、柔軟な勤務条件を提示するようになってきています。

 「これまではフルタイム勤務を条件にしていた企業が、週4日10時~16時など、主婦層が希望する勤務条件を出して、歩み寄りを見せてきているのです」(しゅふJOB総研川上さん)。

 ビースタイルでは2018年1月より、「これまで培ってきたスキルや経験を生かしたい、キャリアを途切れさせたくない、でも子育てなどで一時的に仕事をセーブして働きたい」というハイキャリア女性に適した、時短の人材サービス「スマートキャリア」を開始。出産後、時短勤務となることで、仕事と子育ての両立はできるものの、これまでとは異なるキャリアを選ばざるを得なくなる「マミーズトラック」を回避し、スキル、キャリアを維持、継続するための選択肢の一つとして選ぶ人が多いとのこと。専門性の高いスキルや能力のある人は時給単価が高く、週3~4日勤務で時給3000~4500円の仕事の求人も少なくないそう。

 高い専門性やスキルのある女性は、フリーランスという働き方も選択肢の一つ。Warisは、人事・労務、経理・財務、広報・PR・マーケティングなど高い専門性を持ったフリーランス女性を企業にマッチングするサービスを行っています。

 「キャリアを積み重ね、高い専門性、スキルを持った人であれば、複数社から業務委託という形で仕事を受けたり、打ち合わせのみ出社して在宅で働いたりと、フリーランスとして自分の希望するスタイルで自由に働くことができるようになってきています」(Waris小崎さん)。

 しかし、5年、10年とキャリアのブランクがある人にとって、フリーランスはかなりハードルが高い働き方……。そこでWarisでは、2016年よりキャリアにブランクのある女性のための再就職支援サービス「Warisワークアゲイン」を展開。再就職を希望する女性向けにキャリアカウンセリングを行う他、仕事紹介、企業でのインターンシップなどを提供しています。

 「サイボウズで行ったキャリアママインターンではインターン参加者の8割が正社員として採用されました。10年以上のブランクがある女性でも十分に戦力になることを示すことができ、手応えを感じています」(Waris小崎さん)。

 仕事の現場を離れたブランクのある専業主婦がすぐに正社員に採用されるというケースはまだ少ないですが、このまま働く人の数が減り続けることを考えると、今後はそうした可能性も広がっていくかもしれません。

文/井上佐保子 写真/PIXTA

この人に聞きました
川上敬太郎
川上敬太郎(かわかみ・けいたろう)さん
ビースタイル しゅふJOB総研所長。テンプスタッフ(現パーソルホールディングス)で新規事業責任者などを歴任。転職後は執行役員など管理職として、営業・経営企画・人事といった人材サービス事業のほぼ全てのセクションに携わる。2010年にビースタイル入社。2011年より現職。厚生労働省委託事業検討会委員、男女共同参画センターでの講演など、主婦人材の活躍推進や人材サービス業界のあり方について積極的な意見提言を行う

小崎亜依子
小崎亜依子(こざき・あいこ)さん
Waris ワークアゲイン事業 統括/Waris Innovation Hub プロデューサー。野村アセットマネジメントを経て、留学・出産育児で5年のキャリアブランク後、NPOのアルバイトで復職。2007年より日本総合研究所で企業のESG評価などを担当した後、2015年Warisに参画。キャリアブランクのある女性の再就職支援「Warisワークアゲイン事業」を手掛け、プロフェッショナル女性を対象としたプロジェクト型ワークの創出や多様化推進のためのコンサルティングを行う。著書に『女性が管理職になったら読む本』(翻訳・構成を担当)など

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