多くの企業には、その企業が目指すべき方向性を示した「企業理念」があります。最近では「ビジョン」や「ミッション」に置き換えている会社も多いです。企業理念は、もちろん今後も大事にしていただきたいのですが、採用戦略の面から考えると、企業理念は若者には伝わりづらく、残念ながら採用の助けにはなりにくいのです。「世の中に貢献」や「人々を幸せにする」など漠然としている、またはどの会社の理念も似たようなことをいっていると若者の目には映っています。

 そこで、私が採用戦略として提案したいのが「コーポレートメッセージ」をつくることです。「ブランドビジョン」や「ブランドスローガン」または「タグライン」などと呼ばれることもありますが、ここではコーポレートメッセージで統一します。これは会社としての想いや目指すところ、何をする会社かなどをワンフレーズで表したものです。会社名のロゴ周りに入るスローガン、よく見かけますね。あれです。社名だけではどんな特徴のある会社なのか、どんな事業をしているのかが不明確なこともあります。何の事業に取り組む会社かがロゴとセットで一目で分かるコーポレートメッセージ……、これをつくり、常に発信し、採用に生かしていきましょう。

 もし、すでにコーポレートメッセージがある場合は、それが採用に効くものか、就活生の世代に響くものになっているかを、この機会に見直してみてほしいと思います。

ロマンあふれるメッセージを発信する

 分かりやすい例として、まずは毎日のように広告で目にする大手企業のコーポレートメッセージをいくつか紹介してみましょう。3~6年周期で変えていく会社が多いのですが、中には「お口の恋人 ロッテ」や「あなたと、コンビに、ファミリーマート」など、何年も変わらないものもあります。個人的にはカルピスの「カラダにピース」が好きです。

 さらに採用目線で絞り込むと、私が大好きなコーポレートメッセージは、大成建設の「地図に残る仕事。」です。同じ大手の建設会社では、例えば清水建設は「子どもたちに誇れるしごとを。」、鹿島建設は「100年をつくる会社」。どれもロマンのある、素敵なコピーです。

 これを採用の観点で考えてみると30~40代であれば、「子どもたちに誇れるしごとを。」が響くかもしれません。でも、夢と希望にあふれた新卒である20代の場合は、「地図に残る仕事。」の方が、よりロマンを感じるかもしれません。同じ業界で、待遇や福利厚生がほとんど変わらないのであれば、応募者はよりメッセージに共感する会社を選びます。そこまで見通したコーポレートメッセージが、ここでおすすめしたいことです。