日本語の方が思いは伝わりやすい

 コーポレートメッセージをつくったが、それが本当にふさわしいコピーなのかが分からないこともあるでしょう。そんな時は、考えたコーポレートメッセージを3回早口言葉で言ってみます。つっかえずに言えたら、長さは合格です。次にリズムをチェックするために、3回ラップ調で歌ってみましょう。これができたらリズムもOKです。もしつっかえるようなら、文字を足したり削ったりしながら調整しましょう。

 肝心の内容に関しては、入社したばかりの新入社員か、インターン生や知り合いの大学生に見てもらうといいでしょう。社長や専務のお子さんでも構いません。できるだけ就活生の年齢に近い人たちに、最低でも3人には見てもらって、「いいね!」となれば、自信を持ってそのメッセージを掲げてください。

 日本語と英語、どちらがいいですか? という質問もよく受けます。英語のメッセージは一見格好よく見えますが、これは知名度の高い大企業だからできることです。露出の機会が少ない中小企業は、日本語の方がよりメッセージが伝わりやすくなります。カタカナ、漢字、ひらがなと、豊かな日本語表現を駆使して考えてほしいと思います。

 メッセージが完成したらそれで終わりではありません。大量にテレビコマーシャルを投下できる大企業とは違って、中小企業は露出機会が少ないため、披露できるチャンスは最大限に生かすべきです。あらゆる印刷物や社員の名刺、できれば社用車にも新しいメッセージを掲げましょう。

 ラッピングするのが大変なら、マグネットでもOKです。どこで未来の社員が見ているか分かりません。つくったものは使えば使うほど自分たちの武器になっていくはずです。

 求職者と接触する説明会のブースや採用冊子などでは、より大きくメッセージを掲げてください。説明会のプレゼンでは、参加者に向けてそのメッセージをつくった経緯や、込めた思いを説明するのもよいでしょう。

集まってほしい人のフィルター機能になる

 私が手がけた具体的な事例を紹介しましょう。岡山県で介護施設を運営するアール・ケアという会社です。人手不足に苦しむ介護業界において、アール・ケアも例外ではなく、採用難で悩んでいました。

 そこで「挑戦はまっ先に。サービスはまっすぐに。」というコーポレートメッセージをつくりました。アール・ケアは、同じ介護業界の中でも、新しい挑戦を最初にする会社であるという自負がありました。今、看板や名刺などあらゆるところの社名の下に必ずこのメッセージを入れています。県内に25以上の事業所を展開しており、地元を車で走っていると、このメッセージの入った看板をたびたび目にすることになります。

アール・ケアのロゴとコーポレートメッセージ