――那奈さんのことをよく分かっていらっしゃるからこそのアドバイスですね。転職エージェントなどには登録されましたか?

田中さん:はい。女性の転職を応援している、という転職エージェントだったのですが、相談に行ったら「時短、ママで正社員という求人はまずないですよ」と言われました。「でも、サイボウズさんではママも活躍しているそうですよ」と聞いたら「サイボウズさんは人気だから入れません」と即答されてしまいまして、「やっぱり、キラキラバリバリでないと転職は無理か……」と落ち込みました。

 ですが、別のエージェントさんに相談したところ、あっさり「お子さんがいても正社員いけますよ」と言われ、気を取り直しました。

――それはショックでしたね。サイボウズにひかれたのはやはり働きやすさですか?

田中さん:それだけではありません。

 「子どもとの時間を犠牲にしてまで働くのだから、働きがいのある会社で働きたい」と思っていたのですが、いろいろなところでサイボウズに関する情報を見るにつけ、サイボウズの目指す方向は私にぴったりだ、と思うようになっていました。そんな折、年末、実家でサイボウズの採用情報を見ていたら、経理を募集していたので、思わずスマホで直接応募してしまったというわけです。

面接中に、もっとバリバリ働きたいという気持ちに

――エージェントを通さず応募されたわけですが、面接ではどのようにご自身をアピールしたのですか。

田中さん:特別なことは何も。ただ、経理の仕事が好きだということと、経理業務を一通りやってきたことを伝えました。今のサイボウズがちょうどシステム化や効率化を図ろうとしているタイミングだったので、「大企業で経理業務を経験してきたノウハウをぜひ生かしてください」といったことを言っていただいた覚えはあります。

 印象的だったのは、社長面接で「以前から経営理念を表現する会計のあり方があるのではないかと思っていた。いつか経営理念と会計をつなげるような仕事をしたい」といった話をしたところ、社長が深く共感してくれたことです。「この会社は理念を本当に大事にしている会社だ」と感じ、「ここでなら時短も働きやすさなども関係なく、もっとバリバリ働きたい」という気持ちになりました。

――転職から1年少したちましたが、サイボウズでの働き心地はいかがですか?

田中さん:入社してみて、本気で「チームワークあふれる社会を創る」といった理念を実現させようとしている会社なのだと分かりましたし、入社前とのギャップはないですね。働きやすさはもちろん、新しいこと、やりたいことにチャレンジさせてもらえる機会もあり、刺激的な毎日です。

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 今回、取材した田中さんから感じられたのは、仕事に対するあふれるほどの熱意。もやもやの状態を見極め、脱し、自分が信じた道をまっすぐに突き進む強さも感じました。刺激的な毎日の中で活躍するための努力を惜しまないからこそ、満足のいく転職ができたのだと思いました。

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文/井上佐保子 写真/鈴木愛子