「優秀人材の確保」は、どの企業ももちろん、自治体などの行政、団体にとっても非常に大きな課題だ。優秀人材の獲得競争が激化するなか、新しい手法として、「副業・兼業」で働くビジネスパーソンを採用する試みが増えている。その一例が「実就職率」8年連続 全国女子大1位の昭和女子大学だ。昭和女子大学はダイバーシティ推進を強化するため、このたび、副業・兼業でビジネスパーソンを招き入れることで、大学改革を推進。「理事長特命補佐」2職種を即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」で11月15日より公募している。その背景や狙い、副業・兼業限定の採用のメリットなどについて坂東 眞理子理事長・総長に話を聞いた。
(取材・文=加瀬澤 良年 株式会社ビズリーチ 社長室 特命プロデューサー)

「実就職率」全国女子大1位の昭和女子大学が
ダイバーシティ推進を強化

加瀬澤:大学が副業・兼業限定でビジネスプロフェッショナル(即戦力人材)を募集するのはビズリーチでは初めてです。その背景として、昭和女子大学がこれまで進めてきた改革について教えてください。

坂東:少子化による学生数の減少、社会のグローバル化、多様化など大学を取り巻く環境の変化は、すべての大学に改革を求めています。2020年に創立100周年を迎える昭和女子大学は、かつては「良妻賢母教育」を掲げてきましたが、近年は女性の社会進出が活発になり、女性のリーダーシップが強く望まれる時代を先取りし、自身のキャリア育成を1年生から考える講座を導入するキャリア教育にも注力してきました。こうした努力が実り、実就職率は8年連続で全国女子大1位を記録しました。

坂東 眞理子(ばんどう まりこ)氏
昭和女子大学 理事長・総長。富山県生まれ。1969年東京大学卒業、総理府(現内閣府)入省。
1995年埼玉県副知事、1998年在オーストラリア連邦ブリスベン日本国総領事、2001年内閣府男女共同参画局長。2004年昭和女子大学 女性文化研究所長、2007年同大学学長、2014年同大学理事長、2016年同大学総長(理事長兼務)、現在に至る。『女性の品格』『日本の女性政策』『女性リーダー4.0 新時代のキャリア術』など著書多数。

 この強みをより強化し、また社会でリーダーシップを発揮する女性を育てるために、昭和女子大学は2016年に社会人女性向けの「昭和女子大学ダイバーシティ推進機構」を設立しました。本機構では、働く女性のためのビジネススクール「昭和女子大学キャリアカレッジ」を運営、様々なプログラムを提供し、女性のキャリア育成を図っています。現在、政府が女性活躍推進を掲げ、企業が女性管理職を増やそうとするなか、働く女性に学び直しの機会を提供し、有能な人材を世に送り出すことが昭和女子大学の持つ社会的な使命の一つだと考えています。

副業・兼業限定でビジネスプロフェッショナルを募集

加瀬澤:なぜビジネスプロフェッショナルを招き入れることにしたのですか?

坂東:ビジネスの現場にいる方にご参画いただくことで、ダイバーシティ推進を強化する組織づくりと、その活動を一層促進できると考えました。そこで、優秀なビジネスプロフェッショナルを副業・兼業限定で広く募るために、即戦力人材137万人以上が登録する「ビズリーチ」で、副業・兼業限定で理事長特命補佐を公募することとなりました。今回募集するポジションの方には、昭和女子大学ダイバーシティ推進機構の戦略などに携わり、企業や社会のニーズをくみとりながら、「ダイバーシティ推進機構」の会員企業が求めるセミナーやプログラムの企画、マーケティング施策の推進を担っていただきます。この取り組みは大学におけるオープンイノベーションだと考えています。