加瀬澤:今回の公募では、ファンドレイザー(民間非営利団体において、活動のための資金を個人、法人などから集める職業)も募集するとのこと、その狙いを教えてください。

坂東:大学運営に欠かせない資金面についても、さらなる拡充を行うべく、大学のファンドレイジングの企画・推進を担当するファンドレイザーも募集します。寄付活動が一般的なアメリカの大学と比べ、日本の大学のファンドレイジング活動は大きく遅れを取っています。例えばアメリカでは、「ファンドレイジングディナー」をはじめ様々な企画、イベントを通して大学のサポーターを広げる努力を行ったり、大学の建物の命名権を売ったりするなど、単なる寄付金募集にとどまらずに、クリエーティブなアイデアでファンドレイジングを行っています。また、教授や研究者を世にアピールすることによる講座への寄付といったこともファンドレイジングの一部といえます。昭和女子大学でも、創意工夫によって寄付を募る企画やシステムづくりが必要です。そこで、今回募集するポジションの方には新たなファンドレイジング活動のモデルを作っていただきます。

大学改革は日本社会、日本の雇用が変わる大切な一歩

加瀬澤:副業・兼業限定で公募する背景について教えてください。

坂東:優秀な方に参画していただくためには、副業・兼業がよいと考えました。転職はハードルが高いですが、副業・兼業であれば、検討していただきやすいと思います。私は公務員という仕事を通じて、全国を対象に法律や制度を作ってきましたが、社会全体はそれほどすぐに変わりません。大切なのは、ほんの小さなことの積み重ねです。今回の公募も、すべての大学を見れば小さな取り組みかもしれません。しかし、この取り組みで昭和女子大学が変わり、女子大学が変わり、日本の大学教育が変わっていく。それによって日本の社会が、日本の雇用が変わる。これを実現するための大切な一歩でもあります。社会に対する人材の厚みが増えれば、結果的には日本企業にもプラスになるところが多いはずだからです。

 大学は長年、参入障壁が高い規制産業でしたが、現在は子どもの数が減り、大学数が増えたことで環境も激変しています。これまでうまくいっていた方法にだけ頼る大学は生き延びられないでしょう。昭和女子大学は、リーダーシップを持つ女性を増やすことをミッションとし、様々な取り組みを行ってきました。今後、その取り組みを加速するためには、ビジネスプロフェッショナルとして活躍している方の力が必要だと考え、本公募を実施します。

副業・兼業での採用が「第三の採用手法」に

加瀬澤:ビズリーチ会員に副業・兼業についてアンケートを実施したところ、83%が「今後、兼業・副業を行ってみたい」と回答しており、副業・兼業への関心の高さがうかがえます。一方で、各業界において人材獲得競争は激化し、優秀人材の採用は困難を極めています。そこで、課題解決に寄与できるやりがいのある副業・兼業限定のポジションを設ければ、優秀な方を採用できるのではないかと考え、ビズリーチはこれまで自治体とスポーツ業界で日本初となる副業・兼業限定の採用支援を実施してきました。

 その第1弾が、広島県福山市の戦略推進マネジャーの公募で、2017年11月から12月にビズリーチ上で募集したところ、395名が応募。採用予定は1名でしたが、優秀な方が多く応募されたため、5名が採用されました。製薬会社の新規事業開発担当、投資ファンド会社、外資系メディア関連会社の法人営業など、東京と大阪の企業の第一線で活躍されている方ばかりです。続く第2弾は、日本フェンシング協会の戦略プロデューサー4職種の公募で、今年10月に募集したところ、1,000名超の応募がありました。

 また先日、静岡県熱海市、島根県海士町(あまちょう)、香川県三豊市(みとよし)にある8社の「地域貢献ビジネスプロ人材」の公募も副業・兼業限定で実施しました。