10月より開始した新連載「じぶん働き方改革」。第2回の「作業の効率化が下手な3タイプ あなたがすべき対策は」では、「段取りベタ」、「標準化ベタ」、「優先順位ベタ」を改善することが残業を減らす鍵とお伝えしました。前回の記事「段取りが下手なAさんの1日を紹介 改善点はココ」でお教えした「段取りベタ」をつぶすための対策に続き、今回は「標準化ベタ」をつぶすためのコツについてお伝えします。

(2018年2月22日にサイト「日経ウーマンオンライン」に掲載された記事を転載しています)

「標準化ベタ」に共通する3つの傾向

 仕事を抱えすぎてパンク寸前の方は、次の3つの問題点があります。

1.「自分でやったほうが早い病」に取り付かれている
2.探し物に多くの時間を取られている
3.マニュアルがないので同じ間違いを何度も繰り返してしまう

 上記の問題を解決するためには、自分一人で抱え込み過ぎないために正しい「標準化」の仕方を学ぶ必要があります。解決策に入る前に、まずは上記問題について詳しく見ていきましょう。

「自分でやったほうが早い病」の傾向と対策

 「自分でやったほうが早い病」とは、周囲に説明する暇があるなら自分でサッサと済ませたほうが速く終わると考え、仕事を抱える傾向がある人のことをいいます。頭の回転が速く、一匹狼的でスマートに仕事をこなすため、できる人と思われることが多いですが、自分がやっていることを相手に伝えたり、協力をお願いしたりするのは苦手です。

 このタイプは仕事が少ないときや自分ひとりで回る仕事をしているうちはいいのですが、チームプレーになったときや休みを取りたいとき、キャパオーバーして誰かに助けてほしいときに、今まで周囲に仕事の内容を説明していなかったツケが回ってきます。自分の作業を明文化できないため、複雑な仕事を一人で抱え込むことになりがちです。

「自分でやったほうが早い病」の対策 2ステップ

 「自分でやったほうが早い病」は次の手順で改善していきましょう。

1.「任せられる人のほうが優秀」と意識を変える
2.仕事の手順を明示化していく

 順番に説明します。

1.「任せられる人のほうが優秀」と意識を変える

 このタイプがなかなか人に仕事を頼めないのは、コミュニケーションに対する苦手意識の他に「自分がいることで仕事が回っている」と思いたいという隠れ欲求を持っていることが多いのです。自分が重要な人物だと思ってほしいがために、あえて自分の仕事をブラックボックス化しておくのです。

 しかし、今後、テレワークや兼業・副業といった柔軟な働き方が求められていく時代、今後は「自分がどのぐらい働いているか」を、毎日接することがない相手に適切にプレゼンする力がますます必要になってくることでしょう。「あの人は何をやっているか分からない」と思われることはリスクでしかありませんし、周囲の協力がないままいつまでも目の前の仕事を頑張っていても、自分のキャパ以上の仕事しかできません。「仕事ぶり」をどう表現するかに悩み、日々残業……となったら本末転倒です。

 コンサルティング先のある企業では、管理職になる条件の一つに、自分のスキルを独り占めにせずに相手に提供してチーム全体を底上げする能力を挙げています。このタイミングで、仕事を抱えない人間になったほうが身のためです。

2.仕事の手順を明示化していく

 もともとこのタイプは優秀な方が多いです。優秀であるために、「なんで私と同じようにできないの?」と周囲にイライラし、説明する暇が惜しくなり、先に手を動かします。これは裏を返せば、あなたのサッサと仕事をこなせる手順を明示化できたら、すばらしい育成マニュアルになる可能性があるということなのです。

 過去記事「提案すると「じゃあやって」 忙しくせずに実行する方法」で紹介した、自分の抱えている仕事を小さな「粒」に分解していくところから始めてみましょう。あなたが普通にこなしている膨大な仕事をプロセスに分解することができたとき、それは会社の業務改善を劇的に変える宝になるかもしれません。また、あなたが普段一人でどうにか頑張ってこなしていた仕事も、手順を分解してみると、自分にしかできないこと、他の人にお願いしたほうが効率的なことが見えてきます。作業員の視点からプロデューサー視点に徐々に転換することができますよ。