L&D部門は、間接部門?

 企業のLearning and Development(L&D)部門のリーダーは、これまで長い間スタッフを支援する程度の存在として見なされてきた。つまり、企業が競争力を保つためにタレントを採用し、働く人の満足を高める環境を提供して定着を促す、社員にベネフィットを提供する部門として存在してきた。

 しかし、これがL&Dの貢献のすべてであるとすれば(あるいは誤ってそのように考えられているとすれば)、その影響力はあまりにも小さく、容赦もない予算削減に直面することとなるだろう。L&D部門は単なる間接部門ではない。

 競争力を保とうとする企業は、強力かつ不可欠なL&D機能を大いに必要としている。これは、競争力を高めるだけではなく、競合他社よりも多くを学び、高い業績を上げる組織を作るうえで必要とされる機能、戦略目標を達成するうえでL&D部門は不可欠な組織であるべきだ。

戦略目標達成のために重要な役割をもつトレーニング

 新たな事業を進めるにあたり、必要なスキルをトレーニングする。その成果がゆっくり出るのか、スピーディーに出せるのか、時間と成果の関係を確認する必要がある。通常よりもスピーディーに成果が出せれば、その分が利益の獲得になる。

 かつて、固定電話から携帯電話のシフトに関わる仕事をした。競合会社との中でいち早く新しいスキルを身につけられるかが課題であった。競合他社よりもスピーディーにスキルを身につけられれば、新規事業のシェア獲得に優位に立つ、という重要な役割を担った。

 戦略目標達成のために、スピーディーに必要なスキルを習得し、実践できるようにすること。このミッションを踏まえれば、L&D部門は、戦略上の重要な部門である。

学んだことを実際に仕事に生かせているか?

 ある調査によれば、学んだことを実際の仕事に生かせているのは、2割程度である。もちろん、これは、学習のテーマによって違いがある。仕事上必要なテクニカルスキルは高く、マネジメントスキルなどは実務の上では低くなる。

 戦略上必要なスキルを身につけるというL&D部門の重要なミッションを踏まえた場合、「学んだ人の2割しか実務に生かせない」のでは困る。学んだことが実務に生きるようにする必要がある。