本田技研工業 ― マネージャー、女性対象に30回以上きめ細やかにセミナーを実施

 最後に登壇したのは、本田技研工業の人事部多様性推進室室長の向後睦子氏。「Hondaのダイバーシティへの取り組み」について講演した。「女性が活躍する会社ベスト100」の2017年のトップ10で、電機・機械・自動車関連企業は1社のみ。ものづくり企業の女性活躍推進の難しさが分かろうものだが、その中で、同社は初のベスト100入りを果たした。

 「当社では、『制度拡充・定着推進』『女性活躍機会拡大』を経て、2015年から『人材多様性の進化』として女性活躍の拡大を強化している」と向後氏。今回は、「意識・風土改革、キャリア形成支援、制度・環境整備」を推進の3本柱とし、様々な施策を展開しているが、特筆すべきは、意識醸成に向けたきめ細やかな階層別研修と多面的な女性支援である。

 同社は、マネジメント層に向けては、経営層、部室工場長層への講演会を皮切りに、課長・係長相当職に向け、全34回約3,200人に対してセミナーを実施した。また、女性従業員も全員を対象としたセミナーを全31回約2,200人に実施した。さらに、女性の自律的なキャリア形成に向けて、上司による育成計画であるキャリア計画書を導入し、キャリアアドバイザーのサポート面談(2年間でのべ1,200人)を実施するなど、キャリア形成支援を推進している。

 2年間の取り組みの結果、意識醸成や制度拡充およびキャリア形成支援などにより、女性活躍拡大の取り組みが浸透し、女性のキャリアに対する意識が前向きに変化しつつあり、次なる課題として、女性のキャリアイメージを可能にするロールモデルの育成と風土改革につながる働き方改革の取り組みが見えてきたという。

 最後に、向後氏は、「全体像を描き、スケジュール化をすること。意思のあるメンバ-を集め進めることで協力者を増やすこと。現場に直接出向いて従業員の声を聞くことなどが大切。制度と育成の仕組みは重要だが、その前に風土づくりをすることが重要」とまとめた。また、多様性推進の担当者としての自身の苦労に触れ、「失敗を恐れず、やりぬく覚悟を持ちましょう」と参加者たちへ温かいエールで講演を終えた。

向後睦子氏
グループワーク
質疑応答
各講演の終了後には活発な質疑応答があった。その後は「先進企業からなにを学ぶか」をテーマにグループワークも実施された。