働き方改革は経営戦略。テレワーク勤務には一切の制限なし

 続いて、「マイクロソフトにとって得意分野」だという働き方改革について説明した。

 日本マイクロソフトでは、働き方改革を重要な経営戦略として位置付け、テレワーク勤務やインパクトベースの評価といった先進的な制度、最先端のIT基盤によるICT環境、フリーアドレスを始めとするオフィス環境、カルチャーの浸透を基軸に取り組みを推進させている。杉田氏は、「我々の働き方のデザインは、“いつでも”“どこでも”“誰とでも”。ちなみに私は、朝7時前に出社して早めに帰宅する“ひとりサマータイム”を実行している。時間をずらすだけで生活の充実感が随分変わると感じている」と自身の働き方改革を紹介。

 フレキシブルな働き方を可能にしているもののひとつに、自由度の高いテレワーク勤務制度がある。個人と組織のポテンシャルを最大限発揮できる環境づくりを進めるため、2016年5月からテレワーク勤務に一切の制限がなくなった。日本国内で業務遂行に適した場所ならどこでも勤務が可能、利用頻度(最大週5日)や期間、単位にも制限がなく、さらには申請や承認も必要ないという。「会社に来ない人、朝だけ来る人など、それぞれが時間と場所に縛られない働き方を実現している。必要な時はTeamsのオンライン会議などでつながるため、支障は全くない」と杉田氏は言う。

 また、2017年9月からは、「ファミリーフレンドリー休業制度」がスタート。女性社員の出産休業は、従来の法定の産前産後休暇(無給)14週に加えて、20週の有給休暇が追加され、その間100%の給与が支給される。子供が生まれた社員や養子を迎えた社員には、有給(100%給与支給)の育児休業&養子休業が6週間取得できる。杉田氏は、「出産休暇を遠慮して取らない男性社員には、私から赤ちゃんの写真入りメールを本人とその上司、さらにその上の役員にも送って休暇取得を促している。今では7割ほどが取得するようになった。最初から“本人任せ”ではダイバーシティは進まないので、強制的に進めていくことが必要」だと話した。

 AIを駆使した働き方改革としては、個人と組織の活動状況から働き方や生産性を分析するツールをグローバルの社員全員が使っている。個人レベルの画面では、Outlookのデータなどから前週の働き方をAIが自動的に分析し、適切な時間の使い方や業務効率化の方法などを提案してくれる。組織版の画面では、チームとしてのデータが把握できる。こうしたツールを使うことで、新たな気づきや発見が得られ、職場の改善や生産性向上につながっていく。

 「例えば、このツールを使ってチーム同士の生産性を比較することもできる。我々の例でいえば、チーム内部でのミーティングが多いチームよりも、チーム外とのミーティングが多いところの方が、パフォーマンスが高いと判明した。チーム外とのコラボを進めるうえで巻き込み力を使って仕事をしているということだろう。こうした発見が、職場の改善につながっていく」と述べた。

 最後に杉田氏は、「働き方改革やダイバーシティのテーマは、マイクロソフトのミッションに非常にフィットしており、パッションをもってこれまでやってきた。課題があればどんどん議論したい。みんなで力を合わせることで、日本社会をよりよいものにしてきたい」と熱意溢れるメッセージで締めくくった。